武豊×藤田晋「目玉候補」が黒星スタート……驚愕の調教内容も消化不良のレースに

武豊騎手

 30日、阪神4Rに行われた2歳新馬戦(芝1200m)は、エピファネイア産駒の2番人気ヴィエンヌが勝利。道中は最後方近くからレースを進めると、最後の直線で大外から先行勢を豪快に差し切った。

 3Rからの連勝となった団野大成騎手はレース後、「これからが楽しみな馬です」と将来性を評価。短距離路線に楽しみな1頭が現れたといえるだろう。

 一方、1番人気に推されたものの5着に敗れたのが、藤田晋オーナーの所有馬で武豊騎手が騎乗したメタマックス(牡2歳、栗東・森秀行厩舎)だ。

 イントゥミスチーフ産駒の同馬は、管理する森調教師が今年3月に米国で開催されたOBSマーチセールの初日において、最高価格となる110万米ドル(約1億3000万円)で購入。

 同セールの公開調教ではダイナミックな走りを披露し、ラスト1ハロンで驚愕の9秒8をマーク。同トレーナーが現地メディアに対し「藤田オーナーのために買いました」とコメントしたことでも話題を集めた1頭である。

驚愕の調教内容も消化不良のレースに…

 栗東に入厩してからも抜群の動きを見せており、坂路で行われた最終追い切りでも4ハロン51秒台の好時計を記録。デュガやジャングロに続く、森厩舎×藤田オーナーの短距離での目玉候補とも評されており、単勝オッズ2.6倍の支持が集まった。

 しかし、レースはやや消化不良といえるような内容になってしまった。

 13頭立ての7番枠に収まったメタマックスは、前扉が開いたもののゲート内で膠着してしまい2馬身ほどの出遅れ……。最後方からの競馬を余儀なくされるなど、出だしから躓いてしまうことに。

 その後、4コーナーで中団まで押し上げて直線に向くと一瞬は伸びて来そうな気配を見せたものの、そこまでだった。最後は切れ味勝負に後れを取り、勝ち馬から約1秒差でゴールしている。

「芝のスプリント戦だけに出遅れが致命的でした。またどちらかと言えば瞬発力よりも先行力を活かすタイプだと思われます。ゲートをスムーズに出てさえいれば、また違った結果になっていたでしょう」(競馬誌ライター)

 スピードスター候補のまさかの黒星スタートに、SNSやネット掲示板などにもレース後「出遅れが痛かったな」や、「ダートの方がいいのではないか」といったコメントが寄せられている。

 イントゥミスチーフ産駒は先週終了時点で、芝のレースはわずか5勝。一方ダートでは26勝と芝の5倍以上の勝ち星をあげていることから、メタマックスも砂の方により適性がある可能性もあったか。

「ただメタマックスは調教の段階から、ゲートを怖がる素振りなどを見せていたとのこと。今日の一番の敗因は出遅れですし、現時点ではまだメンタルの部分でも課題があったかもしれません。

デュガやジャングロはダート血統でありながら芝で結果を残していることから、本馬もまだ芝で見限れないでしょう」(同)

 武豊騎手もレース後、「前扉を怖がっていた。その後も周りを気にしているところがあった」と話している。この日は阪神で3勝をあげたレジェンドの手腕をもってしても、今回ばかりは勝ち負けまでは難しかったか。

 ただ「能力はあるが、改善していくところもある」とも語っており、素質を秘めていることは間違いなさそう。今回は残念な船出となったが、次戦以降での変わり身に期待したいところだ。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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