武豊「あの個性派」を想起させる逃亡劇! G1ホース近親で歴代3位の高配当演出

 まるで後続が金縛りにでもかかったかのような逃亡劇だった。

 12日、阪神競馬場の4Rに行われた2歳新馬戦(ダート1800m)は、逃げの手に出た武豊騎手の5番人気サンデーファンデー(牡2歳、栗東・音無秀孝厩舎)が優勝。後続の追撃を危なげなく振り切りデビュー勝ちを収めた。

 9頭立ての一戦。2番枠から好スタートを切ったサンデーファンデーは、すかさずハナへ。1~2コーナーで早くも隊列が決まったこともあり、1000m通過を64秒8のスローかつマイペースに持ち込む。

 手応え十分に4コーナーを回って最後の直線へ。鞍上のステッキにしっかりと反応して脚を伸ばすと、2着に1馬身1/4差を付けてゆうゆうと逃げ切っている。

「他に競りかけてくる馬がいないと見るや、3ハロン目を一気に14秒台まで落としたあたりでほぼ勝負が決まりましたね。武豊騎手らしい実に巧みな逃げで、着差以上にまだ余裕もありそうでした。

パドックで見たところ542キロの馬体はまだ絞れる余地がありそうでしたので、これを叩かれての上積みも相当に見込めるのではないでしょうか」(競馬誌ライター)

 このレースはハピの弟アウトレンジなどが人気を集めていたこともあって、サンデーファンデーの単勝オッズは21.4倍。これは武豊騎手の新馬戦勝利時において、デルマサンキストの29.7倍、ダディーズビビッドの28.3倍に続く歴代3位の高配当だ。

 レジェンドが騎乗したにもかかわらずサンデーファンデーの単勝がこれだけ付いた要因の一つには、父スズカコーズウェイ、母父スマートボーイという、本馬のマイナーな血統構成もあったか。

 ただ本馬の姉はエーデルワイス賞(G3)を勝ったストロングハートであり、また近親には全日本2歳優駿(G1)を制覇したラブミーチャンがいる。零細血統とはいえ底力を秘めていることは間違いなかったようだ。

「あの個性派」を想起させる逃亡劇!

 また今回の逃げ切り勝ちに対しては、母父のスマートボーイを思い出したという声も、SNSやネット掲示板などでは見られた。

「スマートボーイは現役時代に中央・地方合わせて62戦11勝。快速を飛ばしてダート1800mの重賞を5勝するなど、個性的な逃げ馬でしたね。

主戦だった伊藤直人元騎手とワンセットのイメージが強い同馬ですが、実は武豊騎手も1度だけ騎乗した経験があり、2001年に開催された朱鷺大賞典(G3)で4番人気6着に敗れています」(同)

 ちなみにレジェンドは、現役時代に9歳まで走り抜いた本馬の父スズカコーズウェイとはコンビで5勝をあげるなど、好相性を誇っていた。同馬の産駒では今回が初白星になる。

 サンデーファンデーについて武豊騎手はレース後、「調教では動かなかったが、実戦での走りはよかった。まだまだ良くなりそう」とコメント。この血統らしく、これから長きにわたっての活躍に期待したい。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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