関東ベテラン騎手が「182連敗」の泥沼……久々の1番人気も痛恨の“前壁”

 19日、福島競馬場の3Rに行われた2歳未勝利(芝1800m)は、8番人気の伏兵レミージュが直線で抜け出して勝利。8月の新馬戦12着から見事な巻き返しを果たした。

 鞍上の丸山元気騎手はレース後、「デビュー戦に比べてすごく良くなっていた」とコメント。単勝オッズ52.1倍の人気薄だっただけに、まさにしてやったりだろう。

 その一方で、1番人気に応えられず2着に敗れたのが、エリダヌス(牝2歳、美浦・青木孝文 厩舎)に騎乗した柴田大知騎手である。

 今年ここまで12勝、JRAでは通算528勝を数えるベテラン45歳の柴田大騎手だが、実は勝利をあげたのはシナモンスティックに騎乗した7月17日の福島・郡山特別(2勝クラス)が最後だ。

 以降、白星からは遠ざかっており、先週終了時点で連敗記録はまさかの179に……。今回は9月11日のマイネルサハラ以来、約2ヶ月ぶりに1番人気馬に騎乗。自身が『競馬ラボ』で連載するコラム『進化論』では「休み明けの前走でも負けて強しの競馬をしており、テンションさえ落ち着かせていければ自ずと勝負になるはず」と、いよいよ連敗ストップの期待が高まっていた。

久々の1番人気も痛恨の“前壁”

 フルゲート16頭の最内1番枠からスタートした柴田大騎手とエリダヌスは、中段のインコースで無難な立ち回り。しかし、勝負どころの4コーナーから直線入り口にかけて前が壁になってしまうロス……。

 最後の直線に向くと進路を切り替え、馬群の中を割って伸びて来たものの、先に抜け出していたレミージュを捕らえることができず、3/4馬身差の2着に上がるのが精一杯だった。

「3コーナー過ぎまでは悪くないレース運びでしたが、やはり4角で前が詰まってしまったのが痛かったですね。福島競馬場の最後の直線は290mと短いだけに、仕掛けが遅れてしまったのは痛かったですね。

また福島は、この日から芝がBコースに替わっていたこともあって、仮柵により傷みがカバーされたインコースに馬が殺到。本人も『もう少し外めの枠なら……』と悔しがっていましたが、結果的には1番枠というのもアダになったかもしれません」(競馬誌ライター)

 千載一遇ともいえそうなチャンスを逃してしまい、レース後にはSNSやネット掲示板などに「大知はこの馬でも勝てずか」「4コーナーさえスムーズに捌けていれば」などのコメントが寄せられてしまうことに。

 なお、同ジョッキーは続く4Rを13着、9Rの三春駒特別(1勝クラス)ではほぼ見せ場なくブービーの15着に敗れたことで、この日も未勝利。連敗は泥沼の182まで伸びている。

「これで丸4ヶ月間勝ち星なしとなってしまった柴田大騎手ですが、かつては2年連続で年間0勝というドン底も経験。そこから不屈の精神で這い上がってきたまさに苦労人です。

2013年にはマイネルホウオウとのコンビでNHKマイルC(G1)を制するなど、その腕はマイネル軍団の総帥だった故・岡田繁幸さんも認めるところ。なんとか1つ勝利をあげて盛り返してほしいところです」(同)

 なお柴田大騎手は日曜も福島で計5鞍に騎乗予定。マイネル軍団の主戦も務めるいぶし銀は、連敗街道にピリオドを打つことができるだろうか。

冨樫某

キョウエイマーチが勝った桜花賞から競馬を見始める。まわりが学生生活をエンジョイする中、中央競馬ワイド中継と共に青春を過ごす。尊敬する競馬評論家はもちろん柏木集保氏。以前はネット中毒だったが、一回りして今はガラケーを愛用中。馬券は中穴の単勝がメイン、たまにWIN5にも手を出す。

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