ジャパンC(G1)コントレイルの大団円から1年…残されたライバルたちの苦悩
今週末にはジャパンC(G1)が行われるが、昨年はラストランの舞台に選んだコントレイルが勝利。三冠を達成して以来となるG1勝利を果たし、引退の花道を飾ったことは記憶に新しい。
思い返せば、昨年の春競馬ではコントレイルとクラシック戦線で戦ったライバルたちが軒並み大舞台で苦戦を続けていた。世代トップのコントレイルでさえも大阪杯(G1)、天皇賞・秋(G1)と立て続けに敗北を喫しており、世代全体のレベルに疑問を呈す論調も多かった。
周囲の雑音を撥ね退けてコントレイルが勝利し、2着にも同世代のオーソリティが入ったことは評価したい。
だが、あれから1年がたった現在。古馬になってポタジェとパンサラッサの2頭が、新たにG1タイトルを手に入れたものの、苦しい状況には変わりはない。G1戦線における主役はタイトルホルダー、エフフォーリアといった傑物揃いの現4歳世代や、新進気鋭の3歳馬たちに奪われている。
そして、コントレイルのライバルとして期待されていた馬たちも、思いのほか伸び悩んでいた。
残されたライバルたちの苦悩
先週末に行われたマイルCS(G1)には、ライバル筆頭であったサリオスが出走したが14着に大敗。同馬はかつて皐月賞(G1)、日本ダービー(G1)でコントレイルの2着に食い下がった世代きっての実力者だった。
古馬となってからは戦績が振るわず。10月の毎日王冠(G2)で2年ぶりの勝利を挙げたことで、復活を期待されたものの、マイルCSで3番人気の期待を裏切ってしまった。
実は先週末にはサリオスの陰でもう1頭、2年前のクラシックでコントレイルと覇を争ったワーケアも出走していたが、こちらも勝利を挙げるには至らなかった。
同馬は2年前の日本ダービーでコントレイル、サリオスに続く3番人気に支持されたように、世代トップクラスの逸材として評価を受けていた。しかし、先週末に出走した舞台は、G1の裏開催にあたる福島のメインレース・福島民友カップ(L)という意外な場所である。
ワーケアは古馬になって以降はサリオス以上に戦績が振るっておらず、陣営も芝では頭打ちだと考えたのか9月のラジオ日本賞(OP)でダートへと転向。ここでは5着とまずまずの結果を残していた。
ダート2戦目となる福島民友カップで3番人気と高い評価を受けていたが、レースでは後方からの追い込みも空しく4着に惜敗。かつてのクラシック候補としては、物足りなさを感じる結果であった。
コントレイルのライバルたちは依然としてG1で結果を残せておらず、先週末のサリオス、ワーケアの走りはその燻りを象徴する結果のように映った。残された時間は決して長くはないが、世代の意地を見せることができるだろうか。
今週末のジャパンCには、日本ダービーで3着に入ったヴェルトライゼンデが出走予定。シャフリヤール、ダノンベルーガといった年下の強敵を相手に、世代レベルが決して低くなかったことを証明したいところだ。