【チャレンジC(G3)展望】3歳馬「優勢」レースに各世代の「未完の大器」が集結!

 12月3日、阪神競馬場ではチャレンジC(G3)が行われる。

 距離が阪神内回りの2000mに変更された2017年以降の過去5年間を見ると、3歳馬が「4-0-2-4」と活躍が目立つ。一方で4歳馬は「1-2-2-13」、5歳以上の馬は「0-3-1-26」と古馬はかなり苦戦している印象だ。各馬の年齢も踏まえてレースを展望していきたい。

 注目の的は連覇を狙うソーヴァリアント(牡4歳、美浦・大竹正博厩舎)である。単勝オッズ1.7倍の断然人気に推された昨年は、2番手から上がり3ハロン最速タイの末脚を繰り出して勝利。最後は3馬身半差をつけ、中距離路線のスター候補に名乗りを上げた。

 その後は中山記念(G2)から大阪杯(G1)に向かう予定だったが、骨折が判明し、休養に入った。ケガが癒え、復帰したのは9月のオールカマー(G2)。長期休養明けながら2番人気に推されたが、レース中に心房細動を発症してしまい、大きく遅れてのゴールとなった。

 その後は再び立て直しを図り、昨年圧勝したこの舞台で重賞2勝目を狙う。

 鞍上には昨年のこのレースで初コンビを組み勝利に導いたC.ルメール騎手を再び起用。昨年の勝利騎手インタビューでは「絶対能力があります」「今日、大きな差で勝ちましたし、G2、G1で絶対にいけると思います」と、その能力を高く評価していた。

 2歳時から出世を期待されながらも、いまだG1出走すらないソーヴァリアント。エフフォーリアやタイトルホルダーと同世代の未完の大器がついに全開モードに突入する。

 未完の大器といえば、サートゥルナーリアやロジャーバローズと同世代のヒンドゥタイムズ(セ6歳、栗東・斉藤崇史厩舎)もその能力を持て余したまま7歳を迎えようとしている。

 デビュー2戦目には京成杯(G3)で3着に好走し、クラシックでの活躍も予感させたが、結局オープンに昇級したのは4歳春だった。その後も2年前の当レースで3着に入るなど、重賞でも上位を争っていたが、いまだ大阪城S(L)が主な勝ち鞍という状況だ。

 昨年は鳴尾記念(G3)11着、中日新聞杯(G3)7着と不甲斐ない競馬が続き、気性難を克服するため陣営は去勢を決断。その効果は復帰初戦の小倉記念(G3)2着でいきなり表れた。

 続く京都大賞典(G2)は4着に敗れたが、初距離に加えて団野大成騎手も認めたように早仕掛けも最後の失速を招いたか。

 今回は走り慣れた2000mに戻り、鞍上はベテラン武豊騎手と2度目のコンビ。待望の重賞初制覇は目の前に見えている。

 活躍が顕著な3歳世代で唯一出走を予定しているのはビーアストニッシド(牡3歳、栗東・飯田雄三厩舎)だ。

 今春のスプリングS(G2)で逃げ切り勝ちを収めると、牡馬クラシック三冠を皆勤。ただし、3戦すべてで2桁着順に敗れ、成績は頭打ちの状態となっている。古馬と初対決となるG3は真価が問われる一戦となりそうだ。

 レッドベルオーブ(牡4歳、栗東・藤原英昭厩舎)にも勝機がある。

 2歳時に未勝利戦とデイリー杯2歳S(G2)をレコードタイムで連勝し、朝日杯FS(G1)では1番人気にも支持された(結果は3着)。

 ところが皐月賞(G1)8着後に骨折が判明し、戦線離脱。4歳春に復帰した後は凡走続きだったが、2走前の小倉日経OP(OP)で大逃げが見事に嵌り、1年9か月ぶりの勝利を飾った。

 前走の毎日王冠(G2)でもやや暴走気味に逃げたが、最下位に惨敗。今回は福永祐一騎手と久々のタッグで巻き返しを図りたい。

 2年前の当レースで2着に好走したブラヴァス(牡6歳、栗東・友道康夫厩舎)は、その後惨敗続きだったが、近2走はオープンとリステッドで連続4着と復活の兆しを見せている。剛腕R.ムーア騎手とのコンビで完全復活を果たせるか。

 この他には、今年1月の愛知杯(G3)を制したルビーカサブランカ(牝5歳、栗東・須貝尚介厩舎)、7月の七夕賞(G3)を完勝したエヒト(牡5歳、栗東・森秀行厩舎)、昨年の新潟大賞典(G3)を制したサンレイポケット(牡7歳、栗東・高橋義忠厩舎)なども軽視はできないだろう。

 ソーヴァリアントを筆頭にこの中から来年の中距離路線で活躍する馬は現れるのか。発走は12月3日、15時45分を予定している。

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