ダノンベルーガに試練の道!? クラシックで燃え尽きたあの馬に重なる敗戦

ダノンベルーガ 撮影:Ruriko.I

 5万人を超える大観衆が見守った先週のジャパンC(G1)。勝ったのは、3番人気のヴェラアズールだった。

 レース後には手綱を取ったR.ムーア騎手が「塞がってしまったときは心配してしまった」と振り返った通り、最後の直線ではやや進路が狭くなる場面があった。それでも、僅かなスペースが生まれるとそこから一気に急追。ライバル達をまとめて差し切り、見事なG1初制覇を飾った。

 一方、勝ったヴェラアズールや2着シャフリヤールと共にオッズで3強を形成したものの、5着に敗れたのがダノンベルーガ(牡3、美浦・堀宣行厩舎)だ。

 道中はちょうど中団外目を追走し、4コーナーから最後の直線に入った際は手応えも良く、残り200m付近では先頭に躍り出るシーンもあった。最後は脚色が鈍ったところを内のヴェラアズール、外のシャフリヤールに挟まれる不利も……。最終的にデアリングタクトにも交わされてゴールした。

「レース後にはシャフリヤールのC.デムーロ騎手に騎乗停止処分が下ったように、ダノンベルーガは川田将雅騎手が立ち上がるほどの不利を受けています。それだけに、どこかスッキリしない内容ではありましたね。

ただ、スムーズなら勝てたかといえば、そうとも言い切れないでしょう。伸びていた2頭に対し、ダノンベルーガの脚色は鈍っていましたからね……。抜け出すだけの脚があれば、挟まれることもなかったように映りました」(競馬誌ライター)

クラシックで燃え尽きたあの馬に重なる敗戦

 デビューから2連勝で共同通信杯(G3)を制し、早くからクラシック候補として注目を浴びていたダノンベルーガ。クラシック前の時点では、のちのダービー馬となるドウデュースや天皇賞・秋(G1)を制すイクイノックスらと遜色ない評価を受けていた。

 しかし、皐月賞(G1)で4着に敗れると、続く日本ダービー(G1)では1番人気を背負うも4着。巻き返しを期した天皇賞・秋で3着、そしてジャパンCは5着と惜敗が続いている。

「少し前に引退したヴェロックスを思い出しました。同世代のサートゥルナーリアやダノンキングリーらと共に、クラシック候補の一角を担っていましたが、クラシック三冠で2着→3着→3着と惜敗。古馬になって重賞を勝つのも時間の問題と思われていた実力馬だっただけに、まるで3歳で燃え尽きてしまったかのような戦績でした」(同)

「何より結果を出せなかったのが残念です。非常に申し訳ない気持ちです」

 不完全燃焼に終わった今回の敗戦をそう振り返った川田騎手。この悔しさを晴らすためにも、次走で巻き返したいところだ。

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