エフフォーリア調教師の大物が鮮烈デビュー! 33秒1の衝撃は覚えておきたい
今年のジャパンC(G1)は、2017年以来となる4頭の外国馬が5年ぶりに参戦。当初は凱旋門賞馬アルピニスタ、ダービー馬ドウデュース、秋の天皇賞馬イクイノックスも出走の可能性があっただけに、レースレベルの低下を懸念する声も出た。
しかし、G1初挑戦初制覇の快挙をやってのけた新星ヴェラアズールの優勝は強敵相手に見事な走り。次走に有馬記念(G1)も視野に入れているという話もあり、非常に楽しみな暮れのグランプリとなりそうだ。
戦前の下馬評に比べて盛り上がりを見せたジャパンCだが、その前日にデビューした2歳馬の中にも特筆すべき大物候補がいたため、採り上げておきたい。
それは、26日の土曜東京の2歳新馬を楽勝したレイベリング(牡2、美浦・鹿戸雄一厩舎)である。
こちらはビッグレッドファームが所有するフランケル産駒だが、何しろデビュー勝ちの内容がとんでもない内容だったのだ。
33秒1の衝撃は覚えておきたい
ジョアジョルナータの除外により、17頭立てで行われた芝1600m戦。ハナに立った3番人気ショウナンアビアスがレースを引っ張り、前半600mを36秒9の超スローまで落としての逃走。同馬に騎乗した横山武史騎手も、まんまとマイペースに持ち込んだと、ほくそ笑んだことだろう。
実際、2着に入ったことで選択の正しさは証明されたものの、逃げ切りを狙ったコンビを容赦なく撫で切ったのが、直線で11番手の後方から突き抜けたレイベリングだった。上がり3ハロンでマークした33秒1は、2位のマスターパペット(9着)の33秒8を大きく上回る数字。まるで他馬が止まっているかのようにすら思えるほどの衝撃的な切れ味を披露していた。
「スタートをして位置は後ろになりましたが、内側に入れて他馬の後ろでリラックスして走ることができました。直線に入ってからは良い脚で伸びました」
会心の勝利を振り返ったM.ギュイヨン騎手も素質の高さを感じただろう。同馬を管理する鹿戸調教師も「期待通りの走りをしてくれました。まだまだこれからの馬です。楽しみです」と確かな手応えを掴んだようだ。
「1頭だけ次元の違うレースぶりでしたし、これは相当な大物かもしれませんよ。差し追い込みの決まっていた東京の芝コースですが、11月に入ってからは正反対に前残りの目立つ傾向でした。にもかかわらず後方から大外を回して突き抜けた訳ですから、並の馬にできる芸当ではないでしょう。
イギリス産の外国馬血統ですが、日本の馬場でこれほど適性を見せたことは大きな強みです。レースの内容から距離が延びても問題なさそうですし将来性を感じます。後方から追い上げて逃げ馬を楽々捕まえたところなんかは、天皇賞・秋(G1)のイクイノックスみたいでしたね」(競馬記者)
厩舎の看板馬エフフォーリアが、まさかのスランプに陥っている鹿戸厩舎としても、超大物候補の登場は明るい材料。一昔前ならクラシック出走が叶わなかった外国産馬だが、現在は条件付きながら出走可能となった。デビュー戦で見せた実力が本物なら、来年のクラシックを賑わしてもおかしくないだろう。
次走でも絶対に覚えておいて損はない逸材だ。