横山和生「大暴走」でも手応えありあり…レシステンシア級逸材に大満足のワケ

川田将雅騎手 撮影:Ruriko.I

 11日、阪神競馬場で行われた阪神JF(G1)を制し、2歳女王の座に就いたのはリバティアイランド(牝2、栗東・中内田充正厩舎)と川田将雅騎手のコンビ。新潟のデビュー戦でJRA最速タイとなる31秒4の末脚を繰り出した逸材が頂点に立った。

 前走のアルテミスS(G3)をラヴェルの2着に敗れたものの、直線でスムーズな進路を取れなかったことが敗因。11着に敗れたライバルへのリベンジを成功させ、2着シンリョクカに2馬身半の差をつける圧勝劇だった。元々世代No.1の呼び声が高かった馬だけに、来春のクラシックでも最有力の存在となりそうだ。

 これに対し、7着に敗れながらも存在感を発揮したのが、横山和生騎手とコンビを組んだ5番人気のサンティーテソーロ(牝2、美浦・栗田徹厩舎)である。

 逃げ馬にとって最短距離を走れる1枠1番を引けたことも大歓迎。好ダッシュを決めたサンティーテソーロは迷いなくハナを奪ったが、驚きだったのは600mを通過した際に表示された33秒7というラップだ。

「大暴走」でも手応えありあり…

 前日に同じ芝1600mで行われたリゲルS(L)の36秒1と比較しても、それより2秒4も速い怪ラップ。勝ち馬から1秒1遅れてゴールしたものの、最後の直線で残り200mまでレースを引っ張った。キャリアの浅い2歳牝馬が、まるでスプリントG1を思わせるようなスピードを見せたのだから尋常ではない。

横山和生騎手 撮影:Ruriko.I

「いつも通りのスタートでしたが、追い切りでゆくゆくは短距離馬になると感じていました。強い相手によく頑張っていますし、いずれは短距離で大きいところを狙えると思います」

 そんなこともあってか大暴走にも思えるハイペースを演出した横山和騎手も、敗戦の悔しさよりも短距離の適性を高く評価するコメント。パートナーが持つポテンシャルの高さを再確認したのかもしれない。

「阪神JFの1200m通過は68秒1、つまり1分8秒1だった訳ですが、これは芝1200mで行われた前日の最終レース(2勝クラス)の勝ちタイム1分8秒6より、さらに0秒5も速かったんです。

何が凄いかというと、これより2ハロンも長いレースでキャリアの浅い2歳牝馬が、とんでもないラップをマークしたことでしょう。持ち味のロケットスタートもスプリント戦で大きな武器になりますし、カルストンライトオのイメージも重なります」(競馬記者)

 確かにサンティーテソーロのスピードを最大限に生かすなら、同じくロケットスタートでアイビスサマーダッシュ(G3)やスプリンターズS(G1)を逃げ切った快速馬の足跡は、今後のレース選択で大いに参考となるだろう。

 また、現在スプリンターとして活躍しているレシステンシアは、2歳時に出走した阪神JFをレコード勝ちで逃げ切ったが、1200mの通過ラップは1分8秒7。当時と馬場状態の違いはあれども、サンティーテソーロは0秒6も上回っていたのだ。

 その一方で阪神JF前の2戦は600m通過を未勝利戦(35秒4)、サフラン賞(36秒0)のスローに落としていただけに、前進気勢の強過ぎるメイケイエールほど制御の利かない馬という訳でもない。

 これまで通りの展開を期待していたファンにとっては、想定外の騎乗をした横山和騎手の判断に対し賛否が分かれたが、新たな可能性を感じられたことに関しては、結果オーライといったところだろうか。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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