キタサンブラック厩舎「逆転」のチャンス、鍵を握るのはドイツの名手!?
先週、朝日杯フューチュリティS(G1)が終わり、今年の中央競馬の開催も残すところあと3日。いよいよ各部門におけるリーディング争いも佳境を迎えている。
19日現在、調教師部門では関西の矢作芳人厩舎(56勝)がトップ。今年はパンサラッサで海外G1のドバイターフ(G1)を制し、天皇賞・秋(G1)でも見せ場十分の2着と大舞台での活躍も目立った。
今週末の有馬記念(G1)こそ出走馬はいないものの、最終日のホープフルS(G1)にはデビュー2連勝中の有力馬ミッキーカプチーノと、『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)のヒットで知られる藤田晋オーナーが所有する高額馬フェイトがスタンバイ。今年はJRAのG1でまだ勝利がないだけに、最後の最後まで目が離せない存在だ。
そんな矢作厩舎を僅か4勝差で追うのが、現在2位の清水久詞厩舎(52勝)である。
2009年に開業した清水久厩舎は、これまで天皇賞・春(G1)の連覇や有馬記念(G1)などG1・7勝を挙げたキタサンブラック、コーフィールドC(豪G1)を含む重賞4勝のメールドグラースらを輩出した名門だ。
以前までリーディング上位に入ることはなかったが、ここ2年は2020年12位(37勝)→2021年7位(42勝)と着実に勝利数を伸ばしてきた。今年も序盤からコンスタントに勝ち星を重ね続け、キャリアハイを更新中と好調ぶりが窺える。1日2勝以上を今年11回も記録している清水久厩舎なら、残り3日で4勝差とはいえ、矢作厩舎の状況次第では逆転の可能性だってあるだろう。
「逆転」のチャンス、鍵を握るのはドイツの名手!?
「先週から日本で騎乗しているB.ムルザバエフ騎手は、清水久厩舎のラストスパートに一役買うかもしれませんよ。今回が初来日で期間が17日~30日までと短いですが、清水久師が身元引受調教師になっていますからね。
まだ日本のファンには馴染みが薄いムルザバエフ騎手ですが、ドイツリーディングを3年連続で獲得した紛れもない名手です。日本初騎乗となった17日の中京2Rでは、清水久厩舎のマインジャランに騎乗して9番人気ながら3着といきなり見せ場を作りました。
また翌日には、他厩舎とはいえ2勝を挙げる活躍。即時に日本競馬に対応して結果を出すあたり、その腕は本物でしょう。清水久厩舎にとって強力なバックアップとなるかもしれませんよ」(競馬誌ライター)
開催期間はあと3日となったが、逆転への追い風が吹き始めている清水久厩舎。厩舎初となるリーディング獲得の鍵を握るのは、ドイツの名手・ムルザバエフ騎手なのかもしれない。