福永祐一「フルコース」の大団円、初騎乗とラストライドの重なった有馬記念…ホープフルSも名手にお任せ?
25日のクリスマスに行われた有馬記念(G1)は、C.ルメール騎手とイクイノックスのコンビが1番人気に応えて優勝した。今年のG1レースは1番人気馬の不振が目立ったが、阪神ジュベナイルフィリーズ、朝日杯フューチュリティSに続いて有馬記念と3連勝。掉尾を飾るホープフルSで4連勝もあるか。
大きな盛り上がりを見せた暮れのグランプリだが、やはり話題を集めたのは、来年2月一杯で現役騎手の引退が決まっている福永祐一騎手の存在だろう。6番人気のパートナーを好騎乗で2着に導き、勝ちを焦らない後方待機策も、展開と流れを意識した冷静なポジション取りに映った。
福永騎手が過去に騎乗した有馬記念の最高着順は、9番人気トゥザグローリーで穴を開けた2011年の3着。ボルドグフーシュで2着に敗れたとはいえ、ひとつ上に更新することに成功した。イクイノックスが2馬身半差で圧勝したことを考えれば、十分に大役を任された責任を全うしたといえるのではないか。
また、今年の有馬記念で3着以内に入った馬が、いずれも福永騎手と関係のある相手だったことも面白い。
福永祐一騎手「フルコース」の大団円
ラストライドで騎乗した2着ボルドグフーシュをはじめ、3着ジェラルディーナは元お手馬。ちなみにジェラルディーナの母ジェンティルドンナとは、2014年の京都記念(G2)で騎乗して1番人気で6着に敗れている。
そして一見、関わりのなさそうなイクイノックスではあるが、こちらは母父があのキングヘイロー。既に多くのファンが知っているだろうが、初騎乗の日本ダービー(G1)で苦い経験を味わった相棒だ。
しかも、ダービーと同じく1998年の有馬記念は福永騎手の有馬記念初騎乗であり、10番人気で6着という結果だった。サッカーのワールドCをはじめ、他にも様々なサインの予想が飛び交った有馬記念で「福永祐一のフルコース」は、最もシンプル且つ分かりやすいサインだったのかもしれない。
ただ、既にレースを終えた有馬記念よりも、今年最後のG1であるホープフルSに目を向ける方が建設的でもある。当然ながらこちらも福永騎手にとってラストライド。今年のパートナーは、デビューから2連勝中のファントムシーフ(牡2、栗東・西村真幸厩舎)と参戦が決まっている。
内枠が有利とされる有馬記念で2枠3番の好枠を引き寄せた名手が、またしても1枠1番を引く強運ぶりを見せつけた。前売りオッズでは、真逆の8枠18番を引いたミッキーカプチーノが1番人気に推されているものの、欲しいのは1番人気ではなく1着。今年最後の大一番で大団円を迎えることができるだろうか。