福永祐一「絶賛」元相棒の復帰戦快勝に心中複雑!? 引退間近も悔やまれる1勝
7日に中京競馬場で行われた6Rの3歳1勝クラスは、D.イーガン騎手のプロトポロス(牡3、栗東・西村真幸厩舎)が勝利。約4か月ぶりとなった復帰戦を、単勝1.7倍の断然人気に応える見事な白星で飾った。
昨年の小倉2歳S(G3)で1番人気に推された実力は、やはり伊達ではなかったようだ。
9頭立て芝1200mのレース。好スタートを決めたプロトポロスは、道中で外目4番手を追走する。絶好の手応えで最後の直線に入ると、先に抜け出していたフォルテースを楽に捕らえて先頭へ。最後は外から追い込んだグランテストの追撃も1馬身封じて勝利した。
「脚部不安の休養明けということもあり『復帰初戦はどうかな』と思って見ていましたが、ここでは格が違うと言わんばかりの快勝でしたね。レース後には、鞍上のイーガン騎手も『乗りやすかったし、ラストもしっかり伸びていた。ポテンシャルが高いので、今後が楽しみ』と絶賛していました。
デビュー前から稽古で互角の動きをみせていた僚馬のファントムシーフが、野路菊S(OP)を勝ってホープフルS(G1)で4着と頭角を現しているだけに、プロトポロスの今後の活躍にも期待が持てそうです。この後も脚元に問題なくレースを使うことが出来れば、重賞で好走するシーンがあっても不思議ではありません」(競馬誌ライター)
復帰戦を最高の形で終えた一方で、同レース3着のヤクシマに騎乗していた福永祐一騎手にとっては、心中穏やかではなかったかもしれない。何故なら、プロトポロスの過去2戦で鞍上を任されていたのは福永騎手だったからだ。
「絶賛」元相棒の復帰戦快勝に心中複雑!?
昨年6月のデビュー戦では単勝1.4倍の断然人気に応え、2着に3馬身半差をつける圧勝を決めたプロトポロス。レース後には、福永騎手も『良い内容』『次は重賞』と早くから期待を寄せていた逸材である。
続く小倉2歳Sは4着に敗れたとはいえ、レース後に脚部不安が見られたことからも、本来の走りではなかったことは明らか。内容的に福永騎手が致命的なミスをしたとも考えにくく、今回も継続して騎乗する機会があっても不思議ではなかった。
しかし、結果的に陣営はイーガン騎手を新たなパートナーに起用。福永騎手は同レースに騎乗していたにもかかわらず、元相棒の復帰Vを後ろから見守ることしか出来なかったのだから、少々複雑な思いがあったかもしれない。
プロトポロスの次戦は未定だが、短期免許取得のイーガン騎手が日本で騎乗できるのは1月末まで。福永騎手も昨年の調教師試験に合格したことにより、今年の2月末で騎手を引退することが決まっている。
そういった意味では、今回は福永騎手にとってプロトポロスに騎乗する最後のチャンスだったかもしれないだけに、悔やまれる1勝となっただろう。果たして、引退までに再コンビ結成の日は訪れるだろうか。