武豊に懸かる「大記録」も強力アシスト!? アーモンドアイ・ジェンティルドンナの系譜だけじゃない、ライトクオンタムが高確率でG1制覇を期待できるワケ

古くはシーキングザパールやタニノギムレットなど、これまで数々の名馬を輩出してきたシンザン記念(G3)。8日に行われた同レースを制したのは、2番人気のライトクオンタム(牝3、栗東・武幸四郎厩舎)だった。
スタートでやや後手を踏んだライトクオンタムだったが、手綱を取った武豊騎手が「切り替えた」と話した通り、慌てることなく後方から末脚に懸ける競馬。最後の直線に入る際は大外を回ったにもかかわらず、「ゴーサインを出すと反応して最後までしっかりと走ってくれた」と振り返った鞍上の言葉通り、上がり最速の脚を繰り出して豪快な直線一気を決めた。
牝馬によるシンザン記念制覇は、2020年のサンクテュエール以来3年ぶり。近年では、のちに牝馬三冠を達成したジェンティルドンナやアーモンドアイなどがいるだけに、ライトクオンタムもスターダムへと登り詰める可能性は十分にあるだろう。
また、同馬の出世を後押しする材料はこれだけではない。今年のシンザン記念は稀に見る少頭数となったが、過去20年の間で7頭立て以下の重賞を制した馬は、高確率でG1馬となっているのだ。
■7頭立て以下の重賞勝ち馬(過去20年、障害を除く)
2021年 デイリー杯2歳S(G2) セリフォス
2021年 サウジアラビアRC(G3) コマンドライン
2019年 共同通信杯(G3) ダノンキングリー
2017年 東京スポーツ杯2歳S(当時G3) ワグネリアン
2012年 ラジオNIKKEI杯2歳S(G3) エピファネイア
上記の通り、コマンドラインこそまだG1馬となっていないが、該当する5頭中4頭がのちにG1を制している。さらにいえば、コマンドラインは上がり4位だったが、他の4頭はいずれも上がり最速で勝利。つまり、今年のシンザン記念を上がり最速で制したライトクオンタムは、過去の傾向通りならG1馬となる可能性が極めて高いということになる。
そしてこれは同時に、コンビを組んだ武豊騎手にとっても強力なアシストになるかもしれない。何故なら、今後のレジェンドに懸かる記録として、岡部幸雄元騎手が保持しているJRA最年長G1勝利記録(53歳11か月)が控えているからだ。
武豊騎手も約2か月後には54歳を迎えるため、のちにライトクオンタムとG1制覇が叶うようなら、偉大な先輩の記録を塗り替えることになる。
レース後には、武豊騎手から「かなり素質はありますよ」と高評価を受けたライトクオンタム。鞍上に37年連続重賞勝利、JRA通算重賞350勝目を届けた同馬が、また一つレジェンドに「大記録」の称号をもたらすのかもしれない。
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