福永祐一も後ろ髪を引かれる思い!? 重賞1番人気最下位からの逆襲……二冠女王スターズオンアースを破った大器が3連勝でオープン入り

福永祐一騎手 撮影:Ruriko.I

 遅れてきた大器が、いよいよ軌道に乗った印象だ。

 22日、中京競馬場で行われた長篠S(3勝クラス)は、1番人気のルージュスティリア(牝4歳、栗東・藤原英昭厩舎)が勝利。単勝1.7倍の支持に応えて3連勝を飾り、一気にオープン入りを果たした。

「もう一度、やり直しですね」

 昨年4月、ルージュスティリアと主戦の福永祐一騎手はどん底にいた。オークス(G1)出走が懸かったフローラS(G2)で1番人気に推されたルージュスティリアだったが、最後の直線でズルズルと後退……。終わってみれば、屈辱の最下位の15着という結果だった。

 デビュー戦で後の二冠馬スターズオンアースを撃破しながらも福永騎手から「思い通りのレースではなかった」と指摘されるなど、世代トップクラスの能力を秘めつつも「気性面」という大きな課題を抱えていたルージュスティリア。

 桜花賞(G1)出走を懸けたチューリップ賞(G2)でもスタートで出遅れてしまい、上がり最速の末脚で追い上げるも6着に敗れるなど、高い能力を持て余している印象だった。

 そんな失意の春を乗り越え、秋に戻ってきたルージュスティリアは復帰戦となった1勝クラスを快勝。レース後の福永騎手の「上手な競馬をしてくれた」という言葉は、課題克服に尽力した関係者にとっても嬉しい一言だったに違いない。大器が浮上のきっかけを掴んだ瞬間だった。

福永祐一騎手も後ろ髪を引かれる思い!?

「これで3連勝ですが、クラスが上がるごとに相手が強くなっているにもかかわらず、じょじょに勝ち方が良くなっているところに大きなスケールを感じますね。この日(長篠S)もレース後に、福永騎手が『前に壁がない状態でも勝ち切れた』と評価した通り、課題の気性面もどんどん成長している印象です。

勝ち時計の1:33.5は、前日に同じ中京の芝1600mで行われた睦月S(OP)の1:34.1よりも0.6秒も速い時計。もともと持っているポテンシャルを発揮できれば、重賞の壁をあっさり超えても驚けませんね。マイル戦で3連勝しましたし、春のヴィクトリアマイル(G1)で見たい1頭です」(競馬記者)

 ちなみにルージュスティリアを除く、二冠女王スターズオンアースが先着を許したナミュール、パーソナルハイ、ライラック、プレサージュリフト、そしてスタニングローズらは、すべて重賞連対馬だ。さらにナミュール、ライラック、スタニングローズに至ってはG1連対馬に出世している。

 主戦の福永騎手は今年2月一杯の引退が決まっているが、「ちょっとずつ成長しています」と称えたルージュスティリアの存在には、後ろ髪を引かれる思いではないだろうか。次にスターズオンアースと再戦を果たすのは、大舞台になるはずだ。

GJ 編集部

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