【フェブラリーS(G1)予想】ドライスタウトを切り!レモンポップは今回も押さえまで。前走凡走やデータで厳しい実力馬を敢えて拾って高配当狙い
今回は今年のG1開幕戦を飾る、春のダート王決定戦フェブラリーS(G1)を予想していく。
まずはいつものようにまずは過去10年、馬券に絡んだ30頭の前走データを見ていくことにしよう。
チャンピオンズC(ジャパンCダート含む) 9頭
根岸S 8頭
東海S 5頭
東京大賞典、川崎記念 各3頭
武蔵野S、フェアウェルS(OP) 各1頭
となっている。1頭を除いて29頭は前走重賞、約半数は前走G1とJRA開催のダート重賞でもっとも歴史のあるレースだけに、出走馬のレベルもハイレベルになっている。
続いて人気順の成績を見てみよう。
1番人気 4-2-2-2
2番人気 3-2-0-5
3番人気 1-0-2-7
4~6番人気 1-3-2-24
7~9番人気 0-2-4-24
10番人気以下 1-1-0-66
となっている。1番人気の安定ぶりが目立つ。1番人気が飛んだのは昨年と10年前が該当するが、昨年の1番人気レッドルゼルはJBCスプリント(G1)勝利が買われて1番人気になり、6着に敗れたのは好走ローテーションから外れたのが原因か。10年前はカレンブラックヒルが天皇賞・秋(G1)5着から急にダート挑戦で15着に惨敗。消すだけの理由がないと1番人気が来る、くらいの感触だ。3番人気がアテにしづらい代わりに、近5年で8番人気以下が4頭と人気薄の激走が無視できない。
これを踏まえて「◎」は穴馬人気しそうだが13番スピーディキックとする。
前走は東京シンデレラマイル(G)で中団につけて追走。4コーナーから進出を始めて、直線で前の馬を交わすとそのまま後続を離して完勝した。
今回唯一参戦した地方馬の上、交流重賞には3回しか出走しておらず、2歳時に門別のエーデルワイス賞(G3)を制しただけという戦績。地方馬のフェブラリーS勝利は99年のメイセイオペラまで遡る話であり、かつ牝馬での勝利はG2時代の97年ホクトベガ以外に例がない。
メイセイオペラはG1・ 3勝のほか地元岩手で9連勝を飾るなど、ダート界に名前を残す名馬。ホクトベガはダート転向後交流重賞を勝ちまくって無双した名牝。この2頭から比べれば大きく見劣るのは致し方ない。
とはいえ、14戦のキャリアで着外に沈んだのはJBC2歳優駿(G3・7着)の1戦だけ。3着も関東オークス(G2)の1戦だけで残りはすべて連対している。この関東オークスを挟んで前後で3連勝しているなど、現状の地方馬では抜けた存在といえる。中央でいわれている「強い4歳世代」は地方にもいた、といったところか。
陣営も中央の一線級相手で大きなことは言えないとしながら、一戦ごとにパワーアップしており、ベストのマイル戦なので密かに楽しみにしていると含みのあるコメントが出ている。
陣営の言う通り、中央の一線級相手だと分が悪いのは事実だが、戦績を見る限り位置取りに注文はつかず、前でも後ろでも競馬できる自在性があるのは強み。また地方レベルであれ、上がり最速で来る末脚も持っており、現状の勢いを考えると馬券圏内突入も考えられそうである。惨敗の目も承知の上で敢えて本命とする。
「○」は人気を落としているが10番のテイエムサウスダンを挙げる。
前走は根岸S(G3)。前目につける積極策で競馬を進め、コース取りにもロスがなかったものの直線で伸びを欠いて14着に大敗した。
2着に入った昨年は、同じローテーションながら根岸Sを勝って参戦という違いがある。昨年はこのレースの後もかしわ記念(G1)3着、東京盃(G2)2着と交流重賞でも好走。だが、JBCスプリントでまさかの凡走があり、前走もその尾を引いている感がある。
陣営は動きづらい位置でスパートを待つ間に気持ちが切れたとして、不完全燃焼だったことを強調。スムーズに能力を発揮できればあんなものではない、と強気のコメントが出ている。
正直なところ、こういう負の連鎖が出ているときは実力馬でも簡単に星を落とすものという印象がある。前走に引き続きC.ルメール騎手が騎乗するが、先週の共同通信杯(G3)で今年の初重賞勝ちを飾ったところ。ようやくエンジンがかかってきたと見て、過去10年で2勝2着2回と好相性のルメール騎手なら逆転の目もある、と考え対抗とした。
「▲」は人気サイドだが6番メイショウハリオを推す。
前走は東京大賞典(G1)。中団後ろ目からスタートし、道中徐々に進出し始めて4コーナー5番手から直線に入ってよく伸びた。だが前にいた馬を捉えきれず、さ後ろからきたウシュバテソーロにまで交わされて3着に終わった。
昨年、帝王賞(G1)を制して交流重賞ながらG1馬の仲間入りをしたばかり。昨年はこれ以外にマーチS(G3)も勝っており、実力は示したのではないかと思う。ただ、極端に不得手というわけではないが、左回りコースでの戦績が今ひとつ。重賞を走るようになって以降、中京のチャンピオンズC(G1)と盛岡開催だった昨年のJBCクラシック(G1)で着外に負けているのは気にかかるところではある。
左回りだとモタれる面がある、と陣営もこの点は認めている。だが、状態は高レベルで安定しており、強い相手と好勝負してきた実績もあるので、立ち回りひとつでチャンスはあると強気のコメントも出た。
実際、東京ダート1600mは3勝クラスで走っており、きっちり勝ち上がっている実績もある。初重賞を飾った時の鞍上である浜中俊騎手がここも乗るということで、この馬は手の内に入れているだろう。人気を背負うことになろうが、今年の初重賞勝ちもナムラクレアで人気を背負って勝っているだけに、ここも無様な競馬はしないだろう。期待値込みで抑えたい。
「△」は人気の軸になるであろう7番レモンポップと穴馬の9番ショウナンナデシコの2頭とする。
レモンポップの前走は根岸Sで、5番手追走から直線で抜け出し、後続を抑えて初重賞制覇を飾った。
根岸Sの予想でも△扱いで結果的に完勝してしまったわけだが、今回も△なのはやはり巷で言われている「距離不安」の懸念が拭えないため。キャリア10戦でうち1400m戦が7回。5勝2着2回と文句なしの成績を挙げているだけに懸念があるわけだ。陣営もマイルはギリギリ守備範囲と認めている。
ただ、東京ダート1600mも2走して、1勝2着1回とパーフェクトな成績を挙げており、特に2着は2走前の武蔵野S(G3)でのもの。変わりなくいい状態を維持しており、能力的にはG1で足りる馬、と陣営が強調していることもあるので、惨敗だけはないだろうと考えて、今回も敢えて押さえまでとした。
ショウナンナデシコの前走は東京大賞典。果敢にハナを奪って積極策を採ったが、直線で残りきれず6着に敗れた。
こちらも牝馬で勝てばホクトベガ以来の快挙となるわけだが、昨年はかしわ記念制覇を含む交流重賞4連勝を飾ったほか、着外に沈んだのは前走だけという安定ぶりを見せた。
陣営からは年齢的に上積みはないものの、調整は順調に進んでいるとのコメント。かしわ記念と同距離だけにワンターンのレースがいい方に転べば引けは取らないとこちらもなかなか強気だ。
このコメントもそうだが、今回のメンバーで前で競馬したいのがこの馬だけというところが押さえのポイントとなる。このレースは意外に前残りしやすいレースで、逃げ切ったケースや2番手から残るケースも少なくない。その点、交流G1を逃げ切って勝ったこの馬なら前残りは十分考えられる。レモンポップも前目で競馬したい馬なので、前残りのワンツーも考えられる。それを見越しての押さえである。
人気どころでは4番ドライスタウトを切り。
前走はすばるS(L)で、中団7番手を進んで同じ位置取りだったバトルクライと競り合いになったがクビ差及ばずの2着だった。
2歳時に全日本2歳優駿(G1)を制したG1馬。昨年は年明け初戦の兵庫チャンピオンシップ(G2)で4着と不覚を取ったが、近2走は安定した成績といえる。鞍上の戸崎圭太騎手も絶賛しているようではあるが、前走が重賞でないことと、2着に敗れている点が引っかかる。
上述の通りこのレースはG1らしく格式が高く、重賞クラス以外の馬が好走できるほど甘いレースではない。例外がないわけではないが、唯一の例外は最低人気で勝ったコパノリッキーによるものであり、こちらは後のG1馬である。今回は地方も含め前走重賞組が14頭も揃っている以上、さすがに厳しいのではないか。
ということで、今回は6番、7番、9番、10番、13番の5頭で3連複BOX10点勝負としたい。レモンポップであっさり決まる可能性は高そうだが、ショウナンナデシコやテイエムサウスダンのような人気を落とした実力馬が好走すれば、美味しい配当にありつけるはずだ。