【徹底考察】NHKマイルC(G1) ロードクエスト「勇者の冒険は、もう終わったのか?新潟2歳Sをハープスターの『伝説』と徹底比較」
まず2015年は稍重だが実際の雨は少量で、新潟2歳Sの時にはすでに止んでいたことからも馬場コンディションは「良馬場に近い稍重」だった。
従って、走破時計は稍重だった2015年の方が優秀だが、これだけでハープスター以上とは考えない方がいい。第一、通過順位が示す通り2頭とも極端な追い込み馬であるため、走破時計の速さはあまり関係ない。
走破時計の比較からわかることは、2015年の方がタイトな流れであったこと。そして、最後に各馬が止まった分、よりロードクエストの勝ち方が鮮やかに見えたという程度だろう。ちなみにロードクエストは4馬身、ハープスターも3馬身後続をちぎっているが、共に最後は流しているため、これもあまり関係ない。
また、両馬のレースぶりの違いとして「通ったコース」が挙げられる。
ロードクエストは田辺裕信騎手の好判断もあり、内枠を活かしてインコースを上手く回り、他馬を出し抜くような走りだった。ハープスターは外枠だったこともあり、直線では外に持ち出されて大外一気を決めている。
これだけを比較すると一見、ロードクエストの方が大きなアドバンテージを得ていたようにも見える。
しかし、新潟の外回りコースの直線は658.7m。つまり最後の600mのタイムを示す上がり3ハロンには、コーナーリングは関係ない。言い換えれば、最内を回ったからといって、上がり3ハロンの時計には繋がらないということだ。
それもハープスターもコーナーリングは最後方でほぼ最内を回り、直線に入ってから外に持ち出されている。つまり、2頭の直線での進路は内と外で大きく異なるが、走った距離に大きな差はないということだ。
以上から、ロードクエストの新潟2歳Sの内容は、ハープスターのそれと遜色は認められず、少なくとも「ハープスター級」と判断することはできるだろう。
ただ、ハープスターは新潟2歳Sを勝った当時や、桜花賞(G1)あたりまでは歴史的名牝のような扱われ方だったが、ジェンティルドンナやブエナビスタなど、実際に歴史的名牝となった馬たちとの「差」は後の戦績に表れている。優秀な馬であることに変わりはないが、あくまでG1は桜花賞の1勝だけだったことを念頭に置いておくべきだ。
では、次の問題として敗戦続きの「今のロードクエスト」が、昨年の新潟2歳Sのパフォーマンスを発揮できるのか。それは下記の【血統診断】以下をご確認いただきたい。