ダービーは武豊騎手も驚くダンビュライトの「大変身」に期待!? 「切れない男」が歴史的変身を遂げたエイシンフラッシュと似た匂い
ちなみに昨年のダービーは上位9着までが上がり34秒以下を記録し、10着以下が軒並み34秒以上と、自己最速が34.2秒のダンビュライトにとって非常に悩ましい結果となっている。これでは人気が上がらないのも当然か……。
しかし、実はこの馬と同じような軌跡を辿って、誰もが目を疑うような「異次元の末脚」で世代の頂点に上り詰めた馬がいる。ダンビュライトの父ルーラーシップが涙を飲んだ2010年の日本ダービーの覇者エイシンフラッシュだ。
古馬になっても最速上がりで天皇賞・秋(G1)を勝つなど「切れ者」のイメージがあるエイシンフラッシュ。だが、その最大の長所が初めて顔を出したのが3歳の日本ダービーだった。そこに至るまでの経緯は、現状のダンビュライトと実によく似ている。
皐月賞までのキャリアこそ5戦3勝とダンビュライトとは違い”勝ち切れた”エイシンフラッシュだったが、皐月賞は”後輩”と同じく11番人気という低評価を覆しての3着だった。
そして、続く日本ダービーを迎えても人気は上がらず……結局、単勝31.9倍の7番人気で頂上決戦に挑んでいる。人気が上がらなかった理由は、やはり東京の高速上がり勝負に対する不安。それもそのはず、日本ダービーまでの本馬の自己最速はダンビュライトさえ下回る34.4秒だった。
ところが蓋を開けてみれば自己最速を1.7秒も更新する、信じられないような鬼脚で完勝。なお、その際にエイシンフラッシュが記録した上がり3ハロン32.7秒は日本ダービー史上最速である。この勝利には競馬の祭典に詰めかけた多くの競馬ファンが度肝を抜かれた。
これには騎乗していた内田博幸騎手も「まさか」と驚きを隠せず。「(大井から)日本ダービーを目標に中央入りしましたが、こういう形で勝てるとは思いませんでした」と相棒の変貌ぶりに舌を巻いていたようだ。