「ルメールも後悔?」“捨てられた”ジャスティンパレスに反撃の狼煙! 宝塚記念(G1)打倒イクイノックスへ、代打騎乗した英国の名手の誤算と逆転のシナリオ

大本命イクイノックス撃破へ、ジャスティンパレスの期待が高まるが…

 世界最強と名高いイクイノックスの一本被りが予想されている25日の宝塚記念(G1)。

 残念ながら、馬券的な魅力はあまり感じられないかもしれないが、「逆転候補」の筆頭としては、充実著しいジャスティンパレス(牡4歳、栗東・杉山晴紀厩舎)に期待しているファンは少なくないだろう。

 前走の天皇賞・春(G1)を完勝し、いよいよ本格化した感のあるジャスティンパレス。各予想サイトも本馬をイクイノックスに次ぐ2番人気と予想しており、その期待は決して小さいものではない。

 しかし、それと同時に、有力馬の中でどうしてもイクイノックスとの逆転劇をイメージし辛いのもジャスティンパレスではないだろうか。

 というのも今春、阪神大賞典(G2)と天皇賞・春の連勝に導き、この馬をスターダムへ押し上げたC.ルメール騎手が乗り替わりというだけでなく、最大のライバル・イクイノックスに騎乗するからだ。

 ちなみにジャスティンパレスが挙げた全5勝の内、4勝がルメール騎手の手綱によるもの。もっと言えば、ここまで4戦4勝で「コンビ結成=勝利」といった状況だ。今回は残り1勝を挙げた若手の鮫島克駿騎手が騎乗するが、やはりこのスーパージョッキーと比較してしまうと見劣ると言わざるを得ない。

 また、この春の充実ぶりが著しいジャスティンパレスだが、阪神大賞典と天皇賞・春はいずれも3000mを超えるレース。1000mの距離短縮という過酷な天皇賞・春→宝塚記念を連勝したのは、本馬の父である2006年のディープインパクトまで遡る。

 そして極めつけが、同世代のイクイノックスと3度対決して、いずれも完敗している点だ。

 皐月賞(G1)で0.7秒差だった着差は、日本ダービー(G1)で1.3秒差とほぼ倍増し、直近の有馬記念(G1)でも1.1秒差だった。昨秋の神戸新聞杯(G2)で重賞初制覇を飾り、菊花賞(G1)でも3着と本格化の兆しを見せたジャスティンパレスだったが、満を持して挑んだ有馬記念でも接戦にさえ持ち込むことができなかった。

 それもそのはず、3歳秋で本格化の兆しを見せ、古馬になって完成期を迎えたのは、イクイノックスもまた同じなのだ。

 各メディアの予想オッズで2番人気……つまりは打倒イクイノックスの筆頭に挙げられているジャスティンパレスだが、実は事前のファン投票では21万票を集めた首位イクイノックスに対して、12万票だった本馬は5位と大きく水を上げられている。

 今回のジャスティンパレスの2番手評価は「この馬に期待」というより「イクイノックス以外の馬になら勝てそう」という、消極的な理由が先行している気がしてならないのは筆者だけではないはずだ。やはり今年の宝塚記念は、すでに歴史的名馬の風格さえあるイクイノックスの走りを見るだけの“お披露目会”となってしまうのだろうか。

 だが、そんな中でもジャスティンパレスに「逆転の余地はある」と話してくれたのが、先日も取材させていただいた『競馬セブン』広報担当者のTさんだった。

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「イクイノックスが優勝候補の筆頭であることは確かですが、我々が注目しているのは2頭が前回戦った『昨年の有馬記念』です。

 結果だけを見れば、2着ボルドグフーシュに2馬身半差をつけて完勝したイクイノックスに対して、ジャスティンパレスは1.1秒差の7着。2頭の間には大きな開きがあるように見えますが、実際はここまでの差はないと考えています」(『競馬セブン』広報担当者のTさん)

 Tさん曰く、ポイントはジャスティンパレスの鞍上がT.マーカンド騎手だった点にあるという。

 マーカンド騎手といえば、昨秋には初の短期免許でJRA参戦を果たした英国のトップジョッキーだ。日本で実績のある外国人ジョッキーたちと参戦の時期が重なっていたこともあって、前評判はそこまで目立ったものではなかったが、瞬く間に関係者の信頼を勝ち取ると、ジャパンC(G1)では三冠牝馬デアリングタクト、有馬記念でもジャスティンパレスという実力馬の手綱を任されていた。

「来日してすぐに結果を出したことで、ファンや関係者からも『追えるジョッキー』と評判だったマーカンド騎手ですが、本人曰く『自分が(追えることより)重視しているのは位置取り』だそうです。

 ただ、昨年の有馬記念ではその積極性が裏目に出た印象。序盤からしっかりと『勝てるポジションを取ることが大事』と考えるのは、同じ英国の名手R.ムーア騎手などと同様ですが、本来は自在性のある馬ですし、もう少しレースの流れに乗れていれば、(7着より)もっと上の着順にいたはずです」(同)

 確かに、昨年の有馬記念は先行勢にとって厳しい流れとなった。

 先行勢で唯一掲示板(5着以内)に乗ったのは、前年の覇者エフォーリアのみ(5着)。逃げた2番人気のタイトルホルダーが馬群に沈んだように典型的な前崩れの流れの中、残りは軒並み中団から後ろで競馬した馬たちが上位を占めている。

 そんな中、3番手を追走したジャスティンパレスは、先行勢ではエフォーリアに続く7着。確かにマーカンド騎手がポジションに固執せずに流れを意識して、もう少し後ろで競馬していれば上位進出はあったかもしれない。

 実際に、今春の阪神大賞典と天皇賞・春で騎乗したルメール騎手は、前者を3番手から、後者を中団8番手からの競馬で連勝している。ジャスティンパレスの自在性を活かした臨機応変な騎乗が功を奏したとも言えるだろう。

 また、Tさんはその上でポジションだけでなく「コース選択でも誤算があった」と指摘する。

「実はマーカンド騎手は、有馬記念当日の本番直前に9Rのグッドラックハンデ(2勝クラス)に騎乗しています。このレースは有馬記念と同じ中山・芝2500mで行われており、今回が初来日でまだ日本の競馬の経験が少ないマーカンド騎手にとっては、貴重な“練習”の場だったわけです。

 結果は2番人気馬に騎乗しての4着でしたが、インから好位抜け出しを図った競馬は、そのまま有馬記念のジャスティンパレスでも再現されていました。

 しかし、問題はその際の進路取り。1枠1番からの発走だったグッドラックハンデでインを突くのは展開上仕方のないことだと思いますが、5枠9番だった有馬記念でもスタート直後からインに切れ込んで逃げ馬の直後につけるという同様の競馬を試みています。

 ただ、皆さんもご存知の通り、有馬記念は中山開催4週目に行われるレース。ましてや芝が育ちにくい厳冬期のレースとあって、毎年最内が荒れ模様の馬場コンディションになりがちです。

 実際に、グッドラックハンデを勝ったアケルナルスターも、有馬記念を勝ったイクイノックスも最後の直線は馬場の4分どころ辺りを通っている馬。騎乗技術は確かなものがあるマーカンド騎手ですが、こうした日本特有の馬場読みの経験不足は否めません。ジャスティンパレスの有馬記念は、その“弱点”がモロに出てしまった結果だと考えています」(同)

 昨年の有馬記念のジャスティンパレスの走りが“本物”でなかった可能性が高いことは、2着ボルドグフーシュを物差しにすれば、少しわかるかもしれない。

 イクイノックスに2馬身半差をつけられたボルドグフーシュだが、続く阪神大賞典でも2着。勝ったジャスティンパレスとは1馬身3/4差だった。

 無論、これだけで力量差がわかるほど競馬は単純ではないが、イクイノックスとジャスティンパレスがボルドグフーシュにつけた「2馬身半差(2.5馬身差)」と「1馬身3/4差(1.75馬身差)」を考慮すれば、仮に昨年の有馬記念でジャスティンパレスが本来の走りを見せていれば、2頭は1馬身差以内(0.75馬身差)にいた計算になる。

イクイノックスとの差は、意外に小さい!?

「今回、ルメール騎手がイクイノックスに騎乗したことで、如何にも主戦から“捨てられた”ように見えているジャスティンパレスですが、これは先約の関係が大きいです。もちろん、仮にルメール騎手がどちらか選べる立場にあったとしても、イクイノックスを選択したと思いますけどね。

 ただ、ジャスティンパレスについて何度も『長いところが良い』と話しているのは、中距離が主戦場になるイクイノックスと“使い分ける”ことで『両方乗りたい』という願望もあったと思います。実際にジャスティンパレスの陣営は、宝塚記念について『中距離の方がいいかなと思っていますし、距離に関しては心配してない』と話していますし。

 ルメール騎手にとっては、ジャスティンパレスには宝塚記念に出てほしくなかったでしょうし、後ろ髪を引かれる思いはあると思います。さしずめ“第二のフィエールマン”になってほしかったというところでしょう」(同)

 Tさんが話すフィエールマンは、かつてルメール騎手とのコンビで菊花賞(G1)を勝ち、天皇賞・春を連覇した名ステイヤーだった。

 当時のルメール騎手には中距離路線にアーモンドアイという絶対的なお手馬がおり、フィエールマンがステイヤー路線を歩む要因の1つとなっていた。だが、福永祐一騎手(当時)とコンビを組んだ2020年の天皇賞・秋では距離が短いと思われた2000mながら、そのアーモンドアイに半馬身差に迫る2着と、ルメール騎手をヒヤリとさせている。

 Tさんから貴重な話を伺って、改めてジャスティンパレスに期待したいと思った次第だが、真に驚くべきは、そんな“裏話”や詳細な分析がすらすらと出てくる『競馬セブン』の情報量だろう。

 今回の話にしても、週末の宝塚記念に出走する1頭の馬の情報に過ぎず、ましてやジャスティンパレスについて『競馬セブン』が掴んでいる情報のほんの一角に過ぎないのだろう。

 実際に筆者が「宝塚記念はイクイノックスとジャスティンパレスで決まりか」と核心をついてみたが、「それは週末の最終結論を参考にしていただければ」とけむに巻かれてしまった。

 いずれにせよ、週末に予定されている『競馬セブン』の宝塚記念【馬連3点予想】の公開が待ち遠しくてならない。「完全無料」で公開されるということなので、興味のある人はぜひ“プロの結論”を参考にすべきだろう。

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※本稿はPR記事です。

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