宝塚記念(G1)「落馬競走中止」から大外枠、ドゥラエレーデに波乱を期待できるワケ…「不安要素満載」でもデータは後押し?
25日はグランプリ・宝塚記念(G1)が行われる。22日に枠順が確定し、11年ぶりに参戦する3歳馬ドゥラエレーデ(牡3歳、栗東・池添学厩舎)は8枠17番の大外枠に収まった。
斤量が優遇される3歳馬だが、過去の宝塚記念で27頭を送り込んで3着が2度のみ。通算(0-0-2-25/27)と振るわない。この敗戦には、二冠馬ネオユニヴァース(03年4着)や、牝馬で日本ダービー(G1)を制したウオッカ(07年8着)も含まれており、まだ成長途上の時期に古馬を相手に互角以上の戦いをするには早いのかもしれない。
苦戦の続く3歳馬ではあるが、今年のドゥラエレーデなら跳ね返してくれる可能性もある。
何しろドゥラエレーデは常に「規格外」の戦績を残してきた馬だ。デビュー2戦を芝で勝ち切れなかった馬だったが、ダートに替わった3戦目で初勝利。その後東京スポーツ杯2歳S(G2)で4着に敗れた後、14番人気でホープフルS(G1)を勝利し、初重賞勝ちがG1という“飛び級”のような戴冠をした。
これだけでも十分に異端な戦績なのだが、年明けもクラシックの皐月賞(G1)ではなく、ダートのUAEダービー(G2)に挑戦。常識的に考えればG1を制した同舞台に向かうところ、あえて海外のレースに挑戦したのだから、前例のない選択だったといえよう。
結果的に敗れはしたものの、勝ったデルマソトガケはケンタッキーダービー(米G1)に挑んだ大物だけに評価できる2着だったのではないか。
当然ながら次走にも注目が集まった帰国初戦は、芝に戻して日本ダービーだった。ここでも善戦を期待されたが、不運にもスタート直後に落馬競走中止という意外な結末が待っていたのである。
池添師が「疲れは残っていない」とコメントしたのは不幸中の幸いか。今度は宝塚記念に参戦を表明してファンの度肝を抜いた。落馬競走中止の後に3歳馬が苦戦するグランプリに挑戦するのも規格外。ここまで来ると、ドゥラエレーデに過去のデータがどうこうというのも、あまり意味を持たないのではないかと思えてくる。
「不安要素満載」でもデータは後押し?
ところが、逆にデータ的な観点ではドゥラエレーデを後押ししてくれそうだ。
強調したいのは父ドゥラメンテの存在だ。過去3年、ドゥラメンテ産駒は宝塚記念と同舞台の阪神芝2200mに11回出走し、内3頭が勝利、2着2回、3着2回と得意。その複勝率は、63.6%と驚異的な好走率を誇るなど、相性の良いコースなのだ。
この成績は出走メンバーの父として最高であり、それを証明するかのようにタイトルホルダーが昨年勝利したばかり。そして今回ドゥラエレーデが入った8枠は過去10年で7勝を挙げているラッキーナンバーだ。「規格外」の戦績を歩んできたドゥラエレーデだけに、またも我々の想像を超える走りを披露しても不思議ではないかもしれない。