武豊ジェラルディーナの「早仕掛け」に賛否両論!? 先行馬総崩れの展開に「もうワンテンポ待っていれば」の声も

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 25日に行われた宝塚記念(G1)は、ファン投票1位イクイノックスが断トツの1番人気に応えて優勝。国内外でG1・4連勝を達成するとともに、現役時代このレースで2度とも敗れていた父キタサンブラックの無念を晴らした。

 海外帰りで難しい調整を強いられていたこともあってだろう、鞍上のC.ルメール騎手も今回ばかりはプレッシャーがあったようだ。レース後には「今日は(ロンジンワールドベストレースホースランキングで)世界一の馬が勝つことができて、よかったです。安心しました」などと、安堵のコメントを残している。

 一方で、武豊騎手との新コンビで臨んだ昨年のエリザベス女王杯(G1)覇者ジェラルディーナ(牝5歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、3番人気に推されたものの4着に終わった。

 11番枠からスタートした人馬はレース前半、後ろから3番手あたりでじっくりとレースを運ぶ。3コーナーで一気に進出を開始すると、前から3番手付近までポジションを上げて最後の直線に入る。

 レジェンドの右ステッキに応えてジェラルディーナは一瞬、先頭に立ちそうなシーンも見られたが、外からイクイノックスに交わされると万事休す。最後はスルーセブンシーズ、ジャスティンパレスにも差されて力尽きた。

「3コーナーでスパートしたものの、一気にまくりきらずに好位で一旦脚を溜め、直線に向いてからもう一度脚を伸ばすという二段階スパートのような形になりました。武豊騎手らしい巧みな乗り方だったと思いますが、最後は力負けだったでしょうか」(競馬誌ライター)

 ジェラルディーナの母ジェンティルドンナは国内外でG1・7勝を挙げたものの、宝塚記念は2度挑戦して勝つことができなかった。娘にリベンジを期待する声もあったが、惜しくも勝利とはならなかった。

「もうワンテンポ待っていれば」の声も…

 またレース後のSNSなどでは、一部ファンの間で武豊騎手の仕掛けのタイミングについて賛否両論があったようだ。

 前半1000m通過が58秒9という先行勢がほぼ総崩れとなった流れの中を、3コーナーから動いていったからだろう、「ちょっと仕掛けが早すぎたのでは」「もうワンテンポ待っていれば馬券圏内もあった」といった否定的な声が上がれば、「切れる馬じゃないから、あそこで動いたのは正解」「まさに勝ちに行った競馬だった」など肯定的なコメントも寄せられていた。

 道中でジェラルディーナより後ろを追走し、仕掛けをより我慢していたイクイノックスとスルーセブンシーズの2頭が結果的にワンツーフィニッシュを決めたことも、議論を深める形となったのかもしれない。

 ただ、武豊騎手はレース後「3コーナーから自分でハミを取ったので無理に抑えずポジションを上げて、直線に向いた時は勝てるかと思いました」と、あくまでも馬の行く気に逆らわない騎乗をした旨のコメントを残している。

 さらにレジェンドはジェラルディーナについて「まだレース中に気持ちの波がある」とメンタル面の課題についても付け足していた。同馬はこの日、パドックでもかなり発汗が目立っており、精神的にやや難しい部分も出たか。

 結果的に人気を下回る形となってしまったが、同馬の走破時計は2分11秒4であり、芝2200mの自身最速タイムで走り切っている。

 もともとジェラルディーナには団野大成騎手が乗る予定であり、武豊騎手は急遽のコンビ結成だったものの、見せ場は十分に作った。継続騎乗となるようであればリベンジに期待したいところだ。

GJ 編集部

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