「日本を代表するダート馬に育つ」川田将雅絶賛の大物が3馬身差圧勝! コントレイル近親の矢作芳人厩舎の秘蔵っ子が、秋の大舞台へ前進

撮影:Ruriko.I

 宝塚記念(G1)をイクイノックスが快勝し、春競馬の締めくくりとなった25日、JRAが来月12日に開催されるジャパンダートダービー(G1)のJRA出走予定馬を発表している。

 昨年の2歳王者デルマソトガケこそ不在だが、5月の兵庫チャンピオンシップ(G2)を6馬身差で圧勝したミトノオーを筆頭に、昨年の全日本2歳優駿(G1)でデルマソトガケと接戦を演じたオマツリオトコ、3連勝中のユティタム、古馬相手に2勝クラスを勝ち上がったばかりのテーオーリカードなど楽しみなメンバーが集まりそうだ。

 一方で今年は迎え撃つ地方勢が充実。5戦5勝と圧倒的な強さで南関東三冠にリーチをかけているミックファイアを大将格に、昨年のNARグランプリ2歳最優秀牡馬であり、大井の二冠でもミックファイアに次ぐ2着だったヒーローコール、米サンタアニタダービー(G1)2着という異例の経歴を持つマンダリンヒーローも底知れない大器だ。

「今年の3歳ダートはハイレベル」という噂通り、全国からトップクラスが集ったJDD。今年は例年以上に熱い戦いになりそうだ。

矢作芳人厩舎の秘蔵っ子が、秋の大舞台へ前進

 その一方でその前日、いつか上記した彼ら3歳トップクラスをまとめて負かしてしまうかもしれない大物候補が、ついに真価を発揮した。矢作芳人厩舎のミスティックロア(牡3歳・栗東)だ。

川田将雅騎手

「素晴らしい馬ですね――」

 先月14日に行われた『DMM BANUSY PARTY 2023』の席だ。一口馬主クラブDMMバヌーシーのいわゆるファン感謝デーにゲストとして登場した川田将雅騎手は、自身が騎乗したミスティックロアについて手放しで絶賛している。

 当時、ミスティックロアは2戦1勝で未勝利を勝ち上がったばかり。デビュー戦で2着に敗れ、続く未勝利戦を勝ち上がったものの、2着とはクビ差。戦績だけを見れば、特に目立った馬でもなかった。

 そういった背景もあって、川田騎手が「先々、日本を代表するダート馬に育つんじゃないかと思える雰囲気を感じさせてくれる馬」と最大級の評価を与えたことには、会場からどよめきが起こっていた。

 そして迎えた24日の最終レース。ミスティックロアは、そんな川田騎手の評価を証明する走りを見せた。

 キャリア3戦目は古馬を交えた3歳以上1勝クラスだった。14頭立てのダート1800mのレースで単勝2.4倍の1番人気だったミスティックロアは、先頭集団を見るようにポジションを取ると、勝負どころの3コーナーから進出を開始。最後の直線で同世代の2着ダンテバローズが集団から抜け出したものの、それをあっさり交わすと、最後は3馬身差をつけて2勝目を飾った。

「この日の馬体重520キロが示す通り、大型の馬でまだまだ成長中といった感じですが、ここでは能力が違いましたね。矢作調教師が自ら米国のキーンランド・セプテンバーセールで競り落とした馬で、米国の2歳女王だった母Folkloreの産駒、つまりはミスティックロアの姉には三冠馬コントレイルの母ロードクロサイトがいます。

『能力の高い馬』と川田騎手が言えば、陣営もジャパンダートダービーにも登録していいるように、この馬にかなり期待しているようです。完成するのはまだ先ですが、いずれは大きな舞台に上がってくる馬だと思います」(競馬記者)

 記者曰く、2着に敗れたダンテバローズはこれで2戦連続の2着。3着馬インヒズアイズの坂井瑠星騎手が「上位2頭が強かった」と白旗を上げている通り、1勝クラスでは格上の存在だ。しかし、今回は相手が悪かったという他ないようだ。

「これからどれだけ精神面で成長してくれるかですね」

 レース後に川田騎手がそう課題を提示するのは、評価の裏返し。期待の素質馬に出会った時のサインでもある。果たして、ミスティックロアは主戦騎手の期待通り「日本を代表するダート馬に育つ」のだろうか。秋以降の大舞台へ、少なくともまた一歩前に進んだことは確かだ。

GJ 編集部

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