【新潟2歳S(G3)展望】永島まなみ重賞Vの絶好機!「能力は感じていた」デビュー戦3馬身完勝の素質馬で三度目の正直なるか

撮影:Ruriko.I

 27日、新潟競馬場では2歳の若駒によるマイル重賞、新潟2歳S(G3)が行われる。過去10年の性別成績を見ると、牡馬の「6-8-7-64」に対し、牝馬は「4-2-3-51」で、勝率は拮抗しているものの連対率、複勝率は牡馬がやや優勢となっている。性別にも注目しながら展望していきたい。

 ルージュスタニング(牝2歳、栗東・友道康夫厩舎)は、2歳牝馬としてかなり大きい部類に入る490kg超の馬体の持ち主。7月の中京・芝1600mでデビューすると、坂井瑠星騎手を背に3番手の好位から抜け出して初陣を飾った。

「調教通りの走りでした。折り合いもついて反応も良かったです。新馬戦としては言うことがない内容」という坂井騎手のコメント通り、2歳馬とは思えぬ落ち着いたレースぶりで、初戦から完成度の高さを披露した。

 前走から2か月近くの間隔を空けて臨む今回は、引き続き追い切りで好時計を連発。2週前に栗東CWで6ハロン80秒8-ラスト11秒9をマークすると、1週前には同81秒2-11秒0と抜群の切れ味で、併せたデビュー前の同厩2歳馬相手に堂々の先着を果たした。

 血統的には父が米国トップサイアーのイントゥミスチーフで、伯父には怪物アロゲートがいる超良血。日本で走っている父の産駒はダートでの活躍が目立ち、芝では1勝クラスのレースまでしか勝利を挙げられていないが、ダート血統の本馬は、初戦で芝にしっかり対応した。

 瞬発力が問われる今回の舞台であっさり勝利するようなら、来春の牝馬クラシックでも有力候補に名を連ねるだろう。今回は菅原明良騎手を背に2連勝を狙う。


 同じく中京・芝1600mの新馬戦で勝ち上がったのは、オルフェーヴル産駒のルクスノア(牝2歳、栗東・平田修厩舎)である。

 初戦は永島まなみ騎手を背に3kgの減量特典も生かして、3番手の好位から上がり最速の末脚を使って2着馬に3馬身の差をつけた。

 永島騎手はレース後、「調教で能力は感じていました。折り合いに課題があると思って、馬の後ろで我慢する競馬をしました」とコメント。馬の将来を見据え施した“教育”が2戦目につながるか。

 今回はもちろん減量特典はないものの、「今後の伸びしろもありそうです」と、永島騎手は将来性に期待するコメントも残しており、1度使われた上積みで一気の重賞制覇をもくろむ。

 3年目の永島騎手にとって重賞騎乗は3度目。初騎乗となった今年7月のCBC賞(G3)は最下位12着、続く小倉記念(G3)は9着と悔しい思いをしているだけに三度目の正直で初勝利を挙げたいところだろう。

 1週前追い切りで好時計を出し、平田師も納得の出来でレースを迎えられそう。『デイリースポーツ』の取材に対して、師は「テンションが上がり過ぎなければ」と条件を付けたが、初の長距離輸送さえクリアできれば、好勝負は必至だろう。


 ヒヒーン(牝2歳、栗東・須貝尚介厩舎)もこれがキャリア2戦目。ユニークな馬名で話題が先行しがちだが、その実力は侮れない。

 デビューは6月阪神の芝1600m戦。10頭立ての5番人気で単勝オッズは24.1倍という伏兵扱いだったが、酒井学騎手を背に好スタートを決め、スッと2番手を確保するセンスの高さを見せた。直線で早め先頭に立つと、後続の追い上げを凌いで快勝している。

 父のジャスタウェイは同じく1戦1勝で、11年新潟2歳Sに出走。1番人気に支持されたが、2着に惜敗している。娘が12年前の父のリベンジを果たせるか。


 アスコリピチェーノ(牝2歳、美浦・黒岩陽一厩舎)は、6月東京・芝1400mでC.ルメール騎手を背にデビュー。中団後方から上がり33秒3の末脚を発揮して、直線で10頭を抜き去った。

「瞬発力があり、最後はいい脚を使いました。距離は1600mでも大丈夫」と、ルメール騎手は1ハロンの距離延長に太鼓判を押しており、ここでも有力馬の1頭として数えられるだろう。

 ただし鞍上は北村宏司騎手に乗り替わる予定。JRAで重賞を通算34勝しているベテランだが、ケガなどもあって、プリモシーンで制した18年関屋記念(G3)を最後に重賞では105連敗中だ。重賞で久々に訪れた有力馬への騎乗で一発を狙う。

 ショウナンマヌエラ(牝2歳、栗東・高野友和厩舎)は、3代母スカーレットリボン、4代母スカーレットインクという名牝系出身。初戦は西村淳也騎手が手綱を取ったが、今回は石橋脩騎手との新コンビでデビュー2連勝を目指す。


 ここまで名前を挙げた5頭は全て牝馬だが、牡馬も負けていない。

 ヴァンヴィーヴ(牡2歳、栗東・牧浦充徳厩舎)は、6月の東京・芝1400mでデビューしたが、初戦は差しが届かず3着。2戦目に中2週で福島・芝1800mに転戦すると、距離延長も味方につけて、2着馬に5馬身差の圧勝で勝ち上がった。M.デムーロ騎手とは3戦連続コンビで不気味な存在だ。

 クリーンエア(牡2歳、美浦・上原博之厩舎)は、8番人気だった初戦を4角4番手から上がり最速の末脚で差し切った。同じ新潟マイルコースを勝ち切った経験を生かして上位争いに加わりたいところだ。

 この他には、初戦を2番手から抜け出して5馬身差で快勝したエイシンヒカリ産駒のエンヤラヴフェイス(牡2歳、栗東・森田直行厩舎)、2戦目の新潟・芝1800mで勝ち上がったキンシャサノキセキ産駒のホルトバージ(牡2歳、栗東・寺島良厩舎)もマイル路線での活躍が期待される。

 牡馬は朝日杯フューチュリティS(G1)に向けて、牝馬は阪神ジュベナイルF(G1)に向けての力試しとなる一戦。新潟2歳Sは27日、15時45分に発走を迎える。

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