武豊騎手は何故「大物」アディラートでなく「絶不調」シュウジなのか? 天才騎手が泣く泣く譲った3歳ダート大器の勝利を熱望する理由
それだけに今回は、どちらに騎乗するか難しい選択となったことは想像に易い。武豊騎手としても騎手冥利に尽きる一方で「体が2つほしい」といった心境だろう。確かに今月の帝王賞(G1)にも有力馬のアウォーディーで参戦する一方、自身が主戦を務めるコパノリッキーがライバルとなるなど、ダートのお手馬が過剰気味な武豊騎手ではあるが……。
「将来性を含めた魅力はアディラートの方にありそうですが、シュウジの依頼が先約だった可能性が高いですね。アディラートは前走がドバイ(UAEダービー)でしたし、帰国後もしばらくは次走が未定の状況でした。
それとアディラートは賞金的には500万下を勝っただけの2勝馬なので、今回のユニコーンSは除外される可能性もあります。陣営は同日に行われる1000万下の青梅特別にも登録していますが、武豊騎手としても確実に重賞に出られるシュウジを選択した可能性もありますね」(競馬記者)
ただ、記者の話によると、今回の武豊騎手の選択に関する”摩擦”はおそらく「0」だという。それどころか、アディラートにも今後また武豊騎手が騎乗する可能性が高いというから驚きだ。
「今回の選択肢だったシュウジもアディラートも同じ須貝厩舎で、どちらも安原オーナーの所有馬です。もともと須貝調教師と武豊騎手は幼馴染の間柄で、一時は絶縁状態にあったものの最近になって”和解”した模様。昨年末辺りから急激に騎乗依頼が増えて、今では良好な関係に戻ったようです。今回の選択も陣営としては折り込み済みだと思いますよ」(同)