2017年競馬上半期総括。オークス&日本ダービー優勝! 関東馬大躍進の「やっぱり」な事情とは?
宝塚記念が終わり2017年のJRAも上半期が終了した。今週からは下半期が始まり本格的な夏競馬が続いていくのだが、この夏は競走馬にとっても競馬ファンにとっても秋に向けての大事な準備期間といえよう。そこで上半期を振り返り、例年と比較して何が変わったのか、各ジャンルごとに検証していきたいと思う。この傾向は秋競馬にも繋がっていくはずなので、ぜひ参考にしてほしい。
■騎手
もはや当然のことといえようが、外国人騎手のミルコ・デムーロとルメールの成績は群を抜いている。先週までデムーロは82勝、ルメールは75勝。日本人騎手の戸崎圭太も勝利数では82勝と互角だが、重賞勝利数はデムーロが10勝(G1は2勝)、ルメールが8勝(G1は3勝)、戸崎が3勝(G1は未勝利)と圧倒的な差がついている。戸崎は先週の宝塚記念当日のように、あえてG1レースに騎乗せずデムーロとルメールのいない場所で勝ち星を稼いでおり、G1レースより4年連続年間リーディング獲得を目指して「質」より「量」を重視していることがわかる。
上半期に行われた12の平地G1レースのうち11レースが関西所属騎手での勝利。昨年は11レース中7レースだっただけに関西所属騎手の活躍が目立ったといえるだろう。ちなみに関東所属騎手の合計勝利数は「667」だが、関西所属騎手の合計勝利数は「984」と約1.5倍。関西所属のルメールが、東京遠征で多くの有力関東馬に騎乗して全競馬場で最多の34勝をあげ、オークスや日本ダービーを制するなど関西所属騎手は関東遠征で結果を残しているのも重要なポイントだ。このことからも関東に素質馬を預託している大手クラブや馬主が、関東の騎手ではなく関西所属のトップジョッキーに期待していることがよくわかる。