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【ダービー卿CT(G3)展望】兄に続き4連勝でタイトル獲得なるか、ソウルラッシュの弟が重賞挑戦!

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今年のダービー卿チャレンジTは好メンバー揃い

 3月も残り1週間。30日の中山競馬場では、芝のマイル重賞ダービー卿チャレンジT(G3)が行われる。ハンデ戦とあって、今年も実力伯仲のメンバー構成となりそうだ。

 重賞ウイナーが複数いる中、最も注目を集めそうなのは目下3連勝中のディオ(牡5歳、栗東・辻野泰之厩舎)だろう。

 デビューから18戦のうち実に17戦が1600m戦というマイラーで、通算成績は「5-7-3-3」という安定感を誇る。3度の着外も全て掲示板内という堅実さだ。

 初勝利を挙げるのに4戦、2勝目はさらに6戦、3勝目も6戦と下級クラスでなかなか勝ち切れなかったが、昨年12月の甲東特別(2勝クラス)を皮切りに、斑鳩S(3勝クラス)、東風S(L)と3連勝している。

 前走はノースザワールドやホウオウビスケッツといった重賞でも好走歴がある強敵を相手に勝利。鞍上を務めた北村宏司騎手は「抜け出すタイミングに気を付けましたが、待てるくらいの余裕がありました」とコメントするなど、まだ伸びシロ十分の勝ちっぷりを披露した。

 同馬の半兄はマイル路線で活躍中のソウルラッシュ。2年前に4連勝でマイラーズC(G2)を制したのは4歳時だった。弟の本馬はすでに5歳で、兄と比べると出世は遅れたが、同じく4連勝での重賞初勝利が懸かっている。ここを勝つようなら、6月の安田記念(G1)で兄弟対決も実現するかもしれない。

 今回と同じ中山芝1600mの東風Sを1分33秒4(良)で駆け抜けたディオに対して、同条件の前走ニューイヤーS(L)で1分32秒3の好タイムをマークしたのがパラレルヴィジョン(牡5歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。

 デビュー当初は2000m前後の中距離路線で活躍。2戦2勝で迎えた2年前の神戸新聞杯(G2)で1番人気に支持された期待馬である。

 ところが同レースはいいところなく7着に終わると、その後も3勝クラスで惜敗が続いた。ようやくオープン入りを果たしたのは、昨年10月のJRAアプリリリース記念(3勝クラス)だった。

 初めてのダート戦にもかかわらず1番人気に応えると、そのままダート路線を歩むかと思われた。ところが次戦の霜月S(OP)を12着に大敗すると、再び芝路線に転じてニューイヤーSで一発回答。ダートを走ったことがいい意味で刺激となったのか、3走ぶりの芝で好位から力強く抜け出す横綱相撲を披露。芝で勝ち切れなかったのがウソのような走りっぷりだった。

 その前走を含めてC.ルメール騎手とのコンビで全5勝を挙げているが、同騎手はドバイ遠征のため不在。今回は初コンビとなる戸崎圭太騎手が手綱を取る。

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インダストリア 撮影:Ruriko.I

 ディオとパラレルヴィジョンと同世代の5歳馬、インダストリア(牡5歳、美浦・宮田敬介厩舎)はすでに重賞タイトルを手中に収めている。

 3歳時には弥生賞ディープインパクト記念(G2)でドウデュースやアスクビクターモアらと差のない競馬をしていたインダストリア。NHKマイルC(G1)で2番人気に推されるなど、G1勝ちも期待された存在だが、同レースでは伸びを欠いてダノンスコーピオンの5着に敗れた。

 その後はダートも試されたが凡走。古馬になって2戦目の昨年の当レースでジャスティンカフェを破って重賞初制覇を遂げると、安田記念へ駒を進めるはずだったのだが……。

 ダービー卿CTを勝った勢いに乗って春の大一番、安田記念に登録したインダストリア。ところが、重賞を勝利したにもかかわらず、まさかの賞金不足で除外となってしまった。これでリズムが崩れたのか、その後はエプソムC(G3)7着、京成杯オータムH(G3)7着、スワンS(G2)8着と精彩を欠いている。

 ただ、血統的に5歳初戦で復活の雄叫びを上げる可能性は十分ありそう。3歳上の兄ケイデンスコールは4歳時に低迷したものの、5歳初戦の京都金杯(G3)で復活の勝利を挙げている。

 弟も同じように5歳初戦のここで1年ぶりの白星を手にできるか。4月下旬に開催される香港・チャンピオンズマイル(G1)への登録を済ませており、勝つようなら海外遠征も視野に入りそうだ。

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レイベリング 撮影:Ruriko.I

 今月上旬の戎橋S(3勝クラス)を勝ってオープン入りを果たしたレイベリング(牡4歳、美浦・鹿戸雄一厩舎)は、2年前の朝日杯フューチュリティS(G3)にキャリア1戦で臨み3着した素質馬。久々にたどり着いた重賞舞台で一発を狙う。

 セッション(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎)は、昨年のアーリントンC(G3)と、今年の京都金杯(G3)で2着の実績がある。右回りコースで「2-2-1-1」、左回りコースで「0-0-1-2」という成績が示す通り、右回りの中山ならあっさり勝ってもおかしくない。

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エエヤン 撮影:Ruriko.I

 この他には、昨年のニュージーランドT(G2)覇者でそれ以来の中山マイルコースに登場するエエヤン(牡4歳、美浦・伊藤大士厩舎)、前走の小倉大賞典(G3)で1番人気に支持されるも4着に敗れたアルナシーム(牡5歳、栗東・橋口慎介厩舎)、2年前の当レース覇者タイムトゥヘヴン(牡6歳、美浦・戸田博文厩舎)など重賞級の実力を持つ古馬も出走を予定している。

 春のマイル戦線を占う上でも見逃し厳禁のダービー卿CT。発走は30日の15時45分を予定している。

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