兄はステイゴールド!スイープトウショウも完封したあの馬は、“みんなの”お母さんに!

 かつて観衆を沸かせた名馬の“今”を紹介!

 走り終えた今も、観衆を魅了したあの日の輝きは、決して色褪せない。

 全国で暮らす、名馬の個性と“今”を集める『ウチの子はあの名馬!個性にLOVE❤︎ 引退馬コレクション』をお届けします!

 今回のコレクションは、2004年のローズS(G2)などを制した、レクレドール!

 現在は、北海道安平町にある白老ファームYearlingで暮らしているとのこと。

 そのお世話をしている京須さんにマル秘情報をたくさん聞いちゃいました!

京須 亮太さん
(白老ファームYearling イヤリングスタッフ)

ウマ歴:2年
出身地:茨城県
趣味:ガンプラ作り
休日の過ごし方:ショッピング

 

レクレドール

ニックネーム|レクレ
生年月日|2001年2月24日
生産者|社台コーポレーション白老ファーム
馬主|サンデーレーシング
戦績|27戦4勝(2着2回,3着4回)
獲得賞金|1億8,488万円(中央)
主な勝鞍|2004年 ローズS(G2)、2005年 クイーンS(G3)
父|サンデーサイレンス
母|ゴールデンサッシュ
母父|ディクタス
ここにきた日|2020年

名馬・ステイゴールドの全妹

 レクレドールは、全兄に2001年の香港ヴァ―ズ(G1)やドバイシーマクラシック(G2)などを制したステイゴールドを持つ血統から期待を集め、2004年3月にデビューを迎えると、3戦目の3歳未勝利、一息入れて8月に3歳以上500万下(現・1勝クラス)を連勝し、秋華賞トライアルのローズS(G2)に出走します。

スイープトウショウを差し切る

 ローズS(G2)では、オークス馬ダイワエルシエーロ、同レースの2着馬スイープトウショウが抜けた1,2番人気の支持を集めましたが、後方から直線上がり最速で追い込んだレクレドールがまとめて交わして1着となり、3歳未勝利からの3連勝で重賞初制覇を飾りました。

 次走、優先出走権を得て挑んだ秋華賞(G1)では6着に敗れてしまいますが、翌2005年8月のクイーンS(G3)では桜花賞馬ダンスインザムードや、NHKマイルC(G1)2着から挑んだデアリングハートなどの有力馬を退けて優勝し、重賞2勝目を挙げます。

 その後も牝馬重賞戦線でコンスタントに競馬を続け、阪神牝馬S(G2)では同年牝馬クラシック2冠馬のラインクラフトにクビ差先着する3着、2006年の札幌記念(G2)では後に宝塚記念(G1)やジャパンC(G1)を制するアドマイヤムーンの豪脚にゴール前で屈したものの、内で必死の抵抗を見せて2着となるなど、クラブ規定により引退となる6歳春まで息長く活躍を続けました。

母としても、重賞馬・ベルーフを輩出

競走引退後は故郷の白老ファームで繁殖牝馬となり、京成杯(G3)勝ち馬のベルーフや、大井競馬の金盃競走(G)勝ち馬クラージュドールなどを輩出。

 産駒勝利数22勝(内、重賞2勝)を数える活躍をし、2020年産を最後に繁殖牝馬としての仕事に幕を下ろしたレクレドールは、現在、若馬たちの精神的サポートをしてくれるリードホースとして、群れの中で頼もしくリーダーシップを発揮しています。

「かしこさ☆5」は、群れを率いるリードホースに求められる資質ですよね。
そして「繊細さ☆5」ですが、過去に『引退馬コレクション』で紹介した先述のレクレドール産駒・ベルーフも「繊細さ☆5」でした。
母と子、血は争えないのだなと感じさせられますね。

『引退馬コレクション』ベルーフ編も、ぜひご一読ください!
https://www.loveuma.jp/post/itbc_240124

 担当している京須さんに、レクレドールの”印象的なエピソード”を聞いてみました!

「リードホースとして牧場に来た当初は、戸惑いの連続でなかなか落ち着かない日々を過ごしていましたが、いまでは役割を理解して、群れの中でしっかりとリーダーシップを発揮してくれている姿が印象的です。

 放牧時間中は頼りになる存在ですが、相変わらず馬房の中では落ち着きがない様子も愛くるしいです。」

 馬房ではソワソワしてしまうところは、放牧中の頼もしい姿とは対照的ですね。

 そういった様子も愛くるしいとのことで、まさに”ギャップ萌え”といったところでしょうか!

放牧地で若馬たちと過ごすレクレドール

 放牧地で過ごすことが大好きなレクレドールは、集牧する際に厩舎に戻ることを嫌って逃げ回り、なかなか捕まってくれないこともあるそうです。

時には厳しい一面も

 若馬を教育するリードホースとしての役目を、しっかり果たしているのですね!

運動が大好きなレクレドール

「群れと分けて運動制限をしても、じっとしていられないので運動制限になりません。」と、担当の京須さん。

 高齢になったいまも放牧地で過ごす時間がとにかく大好きな姿を見ると、レクレドールがやりたいことを目一杯してもらいたいと思い、仕事に励んでくれています。
もしかするとレクレドール自身も若馬たちから元気をもらっているのかもしれません。

 現在の年齢を考慮すると、当時を知るファンのみなさまをはじめ、ご心配の声も耳にしますが、これからもレクレドールらしくハツラツと健康に過ごしてもらえるよう、スタッフ一同サポートしていきますので、温かく見守っていただければ幸いです。

 京須さん、レクレドールのマル秘情報をたっぷりご提供いただき、ありがとうございました!

 なおレクレドールの見学については、防疫上の観点から通年一般の方の見学をお断りされております。

 しかしながら、白老ファームさんのSNSからは、レクレドールの姿をチェックできるので、ぜひフォローしてみてください♫

X(旧:Twitter)|@shiraoifarm
WEBサイト|https://shiraoifarm.com/

協力:有限会社 社台コーポレーション白老ファーム
白老ファームYearling
取材・文:片川 晴喜
編集・デザイン:椎葉 権成
制作:Creem Pan
著作:Creem Pan・GJ

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