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今年の皐月賞は本当に「ハイレベル」だったのか!? 最下位でもイクイノックス超えの違和感…超速馬場の「カラクリ」を見抜け

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 混戦ムードだった今年の皐月賞(G1)は、戸崎圭太騎手が騎乗した2番人気ジャスティンミラノが優勝し、デビューから無敗の3連勝でクラシック第一冠目を制した。

 先に抜け出したジャンタルマンタルをゴール前で競り落とし、外から追い上げたコスモキュランダの追撃をかわした。勝ちタイム1分57秒1(良)は、皐月賞レコードにとどまらず、コースレコードも更新。最も速い馬が勝つといわれる皐月賞に相応しい高速決着だったかもしれない。

勝ちタイムを鵜呑みにするのは危険?

 ただ、1000mを57秒5の快ラップで飛ばし、レコード更新の立役者となったメイショウタバルが最下位に敗れたものの、本馬の走破時計である1分59秒3ですら、ジオグリフが制した2年前の勝ち時計を上回った。この年の2着馬は後の世界最強馬イクイノックスであり、ネットの掲示板やSNSなどでは、全馬がイクイノックス超えのハイレベルだったという声も見掛けた。

 その一方、時計面のみで今年の皐月賞がハイレベルだったと評することには違和感が残った。皐月賞当時は本格化前だったとはいえ、昨年の天皇賞・秋(G1)でイクイノックスは、東京の芝2000m(良)で1分55秒2というとてつもない速さで駆け抜けてもいる。

 事実、皐月賞当日の中山8R野島崎特別(2勝クラス)では、勝ち馬のエンパイアウエストが、同じ芝2000mを1分58秒2で走破。この勝ちタイムでさえ、皐月賞の水準タイムと遜色がなかっただけに、G1ならおそらく1分57秒台に突入する予感はあった。

 そこでレベルを推し量る目安として使えそうなのが、同日に組まれている2勝クラスのレースの勝ちタイムとの比較だ。実際に過去10年の皐月賞と、同日に行われた2勝クラスのタイム差を比較したものが以下である。

■近10年の皐月賞と同日2勝クラスの時計比較

2024年ジャスティンミラノ 1分57秒1良(1秒1)
2023年ソールオリエンス  2分00秒6重(0秒0)
2022年ジオグリフ     1分59秒7良(1秒3)
2021年エフフォーリア   2分00秒6稍(1秒7)
2020年コントレイル    2分00秒7稍(2秒3)
2019年サートゥルナーリア 1分58秒1良(1秒3)
2018年エポカドーロ    2分00秒8稍(0秒9)
2017年アルアイン     1分57秒8良(0秒9)
2016年ディーマジェスティ 1分57秒9良(2秒2)
2015年ドゥラメンテ    1分58秒2良(1秒9)

 もちろん、ほかにも展開等の要素を含むとしても、その世代がどれくらい強かったのかの指標としてはある程度の参考になりそうだ。最も差の大きかった20年のコントレイルが三冠馬になった点や、ドゥラメンテが春二冠を達成している。

 そういった観点からは、今年の皐月賞も悪くはない勝ちタイムだったといえる。これに対し、悪い意味で目立ってしまったのは23年か。他の年に比べてこの年だけ2勝クラスと同じタイム。4歳世代牡馬のレベルが低いという説にも説得力がありそうだ。

GJ 編集部

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