【東京ダービー(G1)展望】アマンテビアンコ回避も…「紅一点」アンモシエラ、「豪脚」ラムジェットが2強を形成? 地方勢も意地を見せるか

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“3歳ダート三冠”の第2戦・東京ダービー(G1)

 5日、大井競馬場では東京ダービー(G1)が開催される。昨年までは南関東所属馬による争いだったが、今年からはJRA所属馬も4頭が参戦。羽田盃(G1)に続く“3歳ダート三冠”の二冠目として生まれ変わった。

 また1着賞金が昨年の5000万円から1億円に倍増。さらに三冠を達成すれば8000万円のボーナスが付与される。しかし、初年度は三冠馬が誕生する確率は0%だ。

 羽田盃を制した白毛馬アマンテビアンコが左前の骨瘤に痛みが出たため東京ダービーを回避。残念ながら主役不在で二冠目の大一番を迎えることとなった。

 

 そんな中、羽田盃で2着した紅一点のアンモシエラ(牝3歳、栗東・松永幹夫厩舎)が助演女優から主演女優を狙うことになりそう。

 勝ち上がりに4戦を要したアンモシエラが、続く1勝クラスも勝って才能を開花させたのは昨年秋のこと。ホープフルS(G1)15着を挟み、船橋のブルーバードC(G3)に出走すると混戦を断ってダート3連勝を決めた。

 その後は京浜盃(G2)に駒を進め2着に入ったが、勝ち馬のサントノーレには7馬身差をつけられる完敗だった。そのため羽田盃でも4番人気に留まったが、初コンビの横山武史騎手が思い切った逃げの手。道中は後続馬に鈴を付けられる厳しい展開となったが、直線でアマンテビアンコとの一騎打ちに持ち込んだ。

 最後は勢いよく追い込んだライバルに1馬身差をつけられた。それでも残り100mまでは馬体を併せて食い下がった点は高く評価していいだろう。今回は坂井瑠星騎手に手が戻るが、3戦2勝2着1回とコンビ相性はいいだけに今回も勝ち負けを期待できそう。


 そんなアンモシエラと1番人気を争うことになるのはラムジェット(牡3歳、栗東・佐々木晶三厩舎)だ。

 昨年7月のデビュー戦を快勝後は1勝クラスで3着、9着と連敗。爆発力を秘めるものの、スタートが悪く安定感に欠ける競馬が続いた。

 しかし4戦目の寒椿賞(2歳1勝クラス)で2勝目を挙げると、続くヒヤシンスS(L)を5番人気で勝利。4角で後方2番手という位置取りからラスト3ハロン36秒1の末脚を発揮し、最後は2着馬に3馬身の差をつける完勝だった。

 その後はケンタッキーダービー(米G1)を目標に設定したが、ポイントランキングで逆転を許し出走は叶わず。代わって前走から一気に300m距離が延びるユニコーンS(G3)に目標を切り替えた。

 同レースでは、いつも通り後方からの競馬。3角手前から進出を開始し、4角では4番手まで押し上げた。そして直線でもう一段加速。最後は2着馬に2馬身半差をつけ3連勝を飾った。

 その3戦全てで騎乗していたのが三浦皇成騎手だ。前走後には「今後、ダート界を牽引する馬になって欲しい」と話すほどのほれ込みようだけに、自身初の“ダービー制覇”も視界に入っているだろう。

 

チャンスが巡ってきたサトノエピック

 JRA所属馬3頭目の好素材がサトノエピック(牡3歳、美浦・国枝栄厩舎)だ。先日の日本ダービー(G1)にも登録があり両睨みだったが、アマンテビアンコの回避でチャンスが巡ってきた。

 デビューから3戦は芝で惜敗が続いていたサトノエピック。4戦目のダート替わりで逃げ切り勝ちを収めると、続く1勝クラスは中団に控えての差し切りと自在性を持ち味とする。

 前走のユニコーンSも中団からの競馬で直線ジリジリと伸びていたが、早め先頭のラムジェットに押し切られた。それでも3着馬には1馬身3/4差をつけており、2000mに距離が延びる今回は逆転も視野に入る。


 ハビレ(牡3歳、美浦・武井亮厩舎)は、3番人気の羽田盃で4着。キャリア6戦目にして初の馬券圏外に敗れた。

 同レースでは、中団から直線でしぶとく脚を伸ばしたが、最後は上位2頭に大きく離されての完敗。ただ最初のコーナーを回ったところで不利を受けて大きくバランスを崩したことも響いたか。

 新馬戦でアマンテビアンコから0秒3差、ヒヤシンスSでラムジェットから0秒5差、京浜盃でアンモシエラと0秒2差と世代上位のダート馬とは力差もそれほどない。決して距離が延びていいタイプではないが、今回もしぶとく上位争いには絡んできそうだ。

 

対する地方勢の筆頭格は

 対する地方所属馬では、羽田盃3着のフロインフォッサル(牡3歳、船橋・山下貴之厩舎)の末脚が不気味。

 前走はシンガリ8番人気ながら地方馬の中では最先着。今回は多頭数になる点がどうかだが、乱ペースで前崩れの展開になるようなら再度の馬券圏内突入も十分あるだろう。


 シンメデージー(牡3歳、高知・打越勇児厩舎)はデビューから高知で5連勝。前走は兵庫・園田に遠征して西日本クラシック(G)を制した。6戦6勝のパーフェクト戦績は見栄えするが、前走1870mの走破時計が2分5秒1。単純に持ち時計を考えれば苦戦必至といえるかもしれない。


 一冠目の羽田盃は最終的に8頭立てとなったが、東京ダービーはフルゲート16頭による争いが実現しそう。JRA勢が格の違いを見せるか、それとも地方勢が意地を見せるか。注目の東京ダービーは5日の20時10分に発走を迎える。

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