お騒がせストライキに崩壊の足音…ダービー前に強行もあっけなく妥結…「何がしたかったんですかね」調教師も呆れた裏事情

横山典弘騎手とダノンデサイル 撮影:Ruriko.I

 9番人気の伏兵ダノンデサイルと56歳の大ベテラン横山典弘騎手のコンビが波乱を演出した今年の日本ダービー(G1)だが、その前日に労組によるストライキが行われていたことについて触れておきたい。

 昨年に続くストライキということもあり、長引くことも考えられたものの、週明けにはすんなりと妥結。年に一度の競馬の祭典で盛り上がりを見せていた時期だけに、早期の決着はJRAとしても有難かっただろう。

 ストライキによる人員不足に奔走する厩舎関係者の姿は昨年同様だったが、現場をよく知る関係者からは不満の声も聞こえた。

担当馬やファンを置き去りにした印象悪く…

 労組は組合員に対してストライキを破ったら除名すると強気な姿勢を見せたが、調教師同士で助け合ったり、除名覚悟で仕事に取り組む人もいたように、何とか開催を滞りなく終えることに成功した。ただ、今回のストライキはトレセン業務も含まれており、管理馬の調教や餌やりや寝わら上げなどが出来ずに支障が出た部分もあったという。

「ストライキの行使は持っている権利だから文句は言いませんが、自分の管理馬の業務を放棄するというのは呆れましたね。馬に食わせてもらっているのに、餌や水やりを拒否した訳ですから競馬人としては失格だと思います。そして週明けにはすぐに妥結でしょう?何がしたかったんですかね」(某調教師)

 また、関東と関西でも温度差があったらしく、関西の方は全体的に稼げている事もあって穏やかだったのに対し、関東の方では組合に属している者からも組合の対応に批判が噴出。今回の件で組合を脱会する人もいたらしい。

「毎月、組合費として給料から数千円を徴収されていて、その中からレクリエーション代などを捻出していました。組合として役割を果たしていれば文句は出なかったと思いますが、今回に関しては週明けにはすぐに妥結しており、ポーズだけというのが明らかになってしまいました。

本当に待遇を改善したいのなら断固とした姿勢でストライキを継続するべきですが、結局のところ調教師や馬主サイドから足元を見られていました。それが明確になった以上、加入する意味がないと抜ける動きが活発化しています。これまで集めた組合費も不明瞭な部分があり、幹部や書記長などの責任を問う声も出ていますし、実質的には組合は崩壊に向かっています。現幹部が責任を負わない限りは難しいでしょう」(某厩舎関係者)

 いずれにしてもストライキの行使は関係者のみならず、開催の有無を懸念するファンにとってもいいイメージはない。もちろん、双方が折り合いのつく形で収束することは望ましいが、来年はこういったトラブルを気にすることなく、純粋に競馬を楽しみたいものである。

GJ 編集部

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