浜中俊「新星」サトノレーヴか「悲願」ナムラクレアか。「秋の大きなところに挑戦していける」スプリンターズS(G1)で手綱を握るのは
9日に行われたサマースプリントシリーズ第一弾・函館スプリントS(G3)は、2番人気サトノレーヴ(牡5歳、美浦・堀宣行厩舎)が1馬身1/4差の完勝。これで芝1200mは6戦5勝となり、一気に短距離界の主役候補に躍り出た。
函館競馬場で愛馬の重賞Vを見届けた里見治オーナーは「スプリンターズS(G1)を目指したい」と、9月29日に中山競馬場で開催される大舞台を目指すことを明らかにしている。
また、好騎乗でサトノレーヴを初重賞勝利に導いたのが主戦の浜中俊騎手だ。
サトノレーヴと抜群の好相性を誇る主戦・浜中俊騎手
道中は好位3番手のインコースをロスなく追走。直線に入るとわずかに開いたスペースを人馬一体の走りで抜け出してきた。これで同馬とのコンビは5戦4勝2着1回と抜群の好相性を誇る。レース後には「競馬センスが非常に良い馬で、騎乗する時も安心できるタイプです」と、パートナーのセンスの高さをベタ褒めした。
元JRA騎手の安藤勝己氏も自身のXで「今のスプリント界なら頂点まで狙える器やと思う」とサトノレーヴに最大級の評価を与え、主戦の浜中騎手とも手が合っていることを綴っていた。
「サトノレーヴは一昨年10月の勝浦特別(2勝クラス)を翌日に行われたスプリンターズSよりも速いタイムで制し、早くから注目を集めていました。体質の関係で5歳6月にして8戦しか使われていませんが、いよいよ軌道に乗ってきた印象です。
浜中騎手もゴール後には思わずガッツポーズするなど、2019年の日本ダービー(G1)以来となるビッグタイトルが頭をよぎったかもしれませんね」(競馬記者)
ただ、浜中騎手といえばご存知の通り、この路線にはナムラクレアというお手馬がいる。
同馬とは2021年9月の小倉2歳S(G3)から長きにわたってコンビを組み続けており、浜中騎手の代表的なお手馬の1頭。自身が主戦を務めG1・2勝を挙げたミッキーアイルの産駒でもある。これまで4つの重賞タイトルを手にしてきたが、G1にはあと一歩のところで届いていない。
特に今春の高松宮記念(G1)では勝ち馬のマッドクールとアタマ差の2着。戴冠を逃した浜中騎手は「結果を出すことができず、悔しい思いで一杯です」と無念さを顕にしていた。その後は休養に入っているナムラクレアだが、悲願のビッグタイトル制覇に向けて8月のキーンランドC(G3)から始動を予定している。
「秋の大きなところに挑戦していけると思うので、応援してあげてください」
函館SSの後、サトノレーヴについてそうコメントを残した浜中騎手。果たして、スプリンターズSで手綱を握るのはどちらの馬になるだろうか。