密かに注目集める宝塚記念「前日」の新馬戦…C.ルメール絶賛もわずか「1戦」で生涯を終えたG1・6勝馬の全弟
宝塚記念(G1)当日に開催される芝1800mの2歳新馬戦。近年は後のG1ホースや重賞ウイナーを数多く送り出していることから、注目を集めている出世レースの1つだ。
過去の勝ち馬には2歳G1を優勝したダノンプレミアムやダノンザキッドもいる。前者は翌春の日本ダービー(G1)、後者は皐月賞(G1)で1番人気に推されたクラシック候補だった。また敗れた馬の中にも後のG1ホースとなったキラーアビリティやドゥラエレーデ、デルマソトガケがいたように、素質馬が集まる傾向がある。それだけに今年も注目の一戦となることは間違いない。
一方、ここ5年連続で行われている宝塚記念「前日」の東京・芝1800mの新馬戦も、一部のファンから熱視線が注がれているちょっとした出世レースでもある。
密かに注目を集める宝塚記念「前日」の新馬戦
昨年この新馬戦を勝ったのがヴェロキラプトル。父スワーヴリチャードに種牡馬としてのJRA初白星をプレゼントした馬であり、続く野路菊S(OP)も連勝しクラシック候補に躍り出た。今年2月のきさらぎ賞(G3)で故障を発症し、本番を待たずに登録抹消となってしまったが、アクシデントさえなければ今春を賑わせていたはずだ。
2021年にC.ルメール騎手を背にデビュー勝ちしたのがジオグリフ。言わずと知れた一昨年の皐月賞馬である。また、この年は後に菊花賞(G1)を制するアスクビクターモアも出走しており3着に入っていた。
翌年にクラシックを勝つ2頭が対決しており、両馬の間に割って入ったアサヒもその後、東京スポーツ杯2歳S(G2)でイクイノックスの2着に好走している。この年はまさに「伝説級」のメンバーだったといっても過言ではない。
その前年の勝ち馬スライリーもその後、フローラS(G2)で2着に好走しオークス(G1)まで駒を進めていた。こうして振り返ると、宝塚記念前日の東京1800m新馬戦も、当日の新馬戦と同じく、なかなかの好メンバーがデビューしていたことが分かる。
わずか「1戦」で生涯を終えたG1・6勝馬の全弟
「2019年から5年連続で行われている東京の新馬戦ですが、その5年前に4馬身差で圧勝したのがブルトガングでした。同馬はG1・6勝グランアレグリアの全弟という超良血。手綱を取ったルメール騎手も『反応がとても良かった。いい脚を使い、能力はありそうです』とレース後に絶賛していましたね。
活躍が大いに期待されたブルトガングでしたが、残念ながらデビュー戦から3週間も経たないうちに馬房で立ち上がれなくなるアクシデントに見舞われた結果、予後不良の診断が下され、わずか1戦でその生涯を終えています」(競馬記者)
今年もルメール騎手×木村哲也厩舎のプリモシークエンスや、D.レーン騎手×堀宣行厩舎のソロモンといった話題の新馬が出走を予定している注目の舞台。前者は重賞3勝を挙げたプリモシーンの初仔、後者は今春引退した重賞6勝馬メイケイエールの全弟という良血馬だ。
今年デビューするメンバーの中にも、来年のクラシック戦線を賑わす馬がいるだろうか。若駒たちの熱い戦いを期待したい。