ブローザホーン「5馬身」置き去りからのG1制覇!ドウデュース、ジャスティンパレス沈んだ宝塚記念…「隠れ最強馬」の評価が赤丸急上昇

宝塚記念を勝利した菅原騎手 撮影:Ruriko.I

 23日に京都競馬場で行われた宝塚記念(G1)を優勝したのは、3番人気のブローザホーンと菅原明良騎手のコンビ。1番人気ドウデュースは6着、2番人気ジャスティンパレスは10着と精彩を欠いた。

クラシックに参戦できなかった馬が一気に天下取り

 遅咲きのエピファネイア産駒が瞬く間に頂点へと駆け上がった。

 世界最強馬イクイノックスを擁する5歳世代のドウデュース、ジャスティンパレスがクラシック戦線で注目を集めていた当時、ブローザホーンは9戦目にしてようやく未勝利戦を勝ち上がったばかりの条件馬でしかなかった。

 イクイノックスが3歳で有馬記念(G1)を華々しく制した頃、ようやく1勝クラスを卒業したブローザホーンだったが、4歳を迎えて快進撃が始まる。2勝クラス、3勝クラスを連勝して初重賞挑戦となった函館記念(G3)でローシャムパークの3着に健闘。8月の札幌日経オープン(L)を6馬身差で圧勝した。

 次走の京都大賞典(G2)は、心房細動で競走中止というアクシデントに見舞われたものの、年明けの日経新春杯(G2)で待望の重賞初制覇。続く阪神大賞典(G2)の3着、天皇賞・春(G1)の2着を挟んだ宝塚記念でG1タイトルゲットに成功した。1月に重賞初勝利を挙げたばかりの馬が、わずか5か月の間にG1まで勝ってしまったことになる。

 古馬になった産駒の重賞成績が振るわず、産駒に早熟疑惑のかかっていた父エピファネイアにとっても、初勝利まで9戦を要した馬が古馬になってG1を勝った意味は非常に大きい。ヴィクトリアマイル(G1)を制したテンハッピーローズとともに、ブローザホーンも父の再評価に多大な貢献をしたといえるのではないか。

「前売りで3番人気に推されているのを見たときは少しビックリしました。週末の天気が荒れ模様でしたから、烏丸S(3勝クラス、京都・芝2200m)を不良馬場で楽勝していた実績を買われたのかもしれませんね。

菅原明騎手の好騎乗も光りましたが、天皇賞・春を快勝したテーオーロイヤルが出られなかったのは残念でした。レース後に骨折が判明したのは非常に残念です。秋の復帰を楽しみに待ちたいです」(競馬記者)

 確かに条件は異なるとはいえ、テーオーロイヤルは今春の重賞でブローザホーンに力の差を見せつけて連勝を飾った実力の持ち主。阪神大賞典では5馬身とクビ差、天皇賞・春でも2馬身差をつけて完勝していた馬である。

 幸い症状は軽度とのことで手術も終了済み。秋には再び両馬の直接対決を見られる機会もありそうだ。

GJ 編集部

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