ソールオリエンス「復活」の次はこの馬?「どん底」を味わったかつての大物候補がG1制覇の若武者と初タイトルへ

ソールオリエンスと横山武史騎手 撮影:Ruriko.I

 先日の宝塚記念(G1)で7番人気の低評価を覆して2着に好走したソールオリエンス。無敗で皐月賞(G1)を制した後は6連敗、近3戦はすべて着外と苦しんでいたが、復活を告げるに十分の走りを見せてくれた。

 主戦の横山武史騎手も以前から「古馬になってから良くなる馬」と将来性を評価していた。秋の古馬王道路線ではさらなる活躍が期待できそうである。

 そんなソールオリエンスの宝塚記念に向けた最終追い切りで、併せ馬のパートナーを務めていたのが、今週のラジオNIKKEI賞(G3)に出走予定のショーマンフリート(牡3歳、美浦・手塚貴久厩舎)だ。

 その最終追い切りも併入に持ち込んでいたショーマンフリートだが、実はデビュー前からソールオリエンスとは併せ馬を行っており、互角の動きを披露していた。2歳馬がクラシックホースに引けを取らなかったことで当然、大物候補の1頭として話題を集めた。

 昨年9月の新馬戦は調教も評価されてだろう、単勝1.5倍の圧倒的支持。レースでも最後の直線ノーステッキで2馬身半差の圧勝を飾る。手綱を取ったJ.モレイラ騎手も「とてもいいセンスを見せてくれた。これからの成長が楽しみ」と最大級の賛辞を送っていた。

C.ルメール騎手と臨んだ共同通信杯はシンガリ負け…

 しかし、2戦目のシンザン記念(G3)は2番人気に推されたものの、最後の直線で伸びを欠いて5着に敗れる。次走にはクラシックの登竜門的レースである共同通信杯(G3)を選択。C.ルメール騎手との新コンビで臨んだものの、スタート後に不利を受ける不運もあってシンガリ負けを喫することとなる。

「鞍上にルメール騎手を配してきたことからも、何とかクラシックに向けて賞金を加算しようという陣営の意気込みが伝わってくるようでしたが、ショーマンフリートはスタート後に不利はあったにせよほとんど見せ場を作れませんでした。

クラシックが完全に遠のく大敗後にはルメール騎手も『全然伸びなかった。どうしてか分かりません』とひたすら首をひねっていましたね」(競馬記者)

 デビュー戦を華々しく飾り将来が期待されたものの、立て続けに敗戦……。このあたりは無傷で皐月賞を制した後、苦杯を舐め続けることとなった厩舎の先輩ソールオリエンスとどことなく重なる部分もあるかもしれない。

 ただ、ショーマンフリートは初戦以来の中山競馬場となった山藤賞(1勝クラス)で2着に入り復調のきっかけを掴む。すると前走の1勝クラスで2勝目をマークし、再び重賞の舞台へと駒を進めてきた。今回のラジオNIKKEI賞で手綱を握るのは、宝塚記念で初G1制覇を遂げた若武者・菅原明良騎手となる予定だ。

 前走の勝利後には管理する手塚師が「良くなるのは秋以降」「ポテンシャルは高いので、完成するのが楽しみ」と期待を語っていたショーマンフリート。一時はどん底ともいえるシンガリ負けすら味わった大物候補が初タイトルを手にするか注目だ。

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