帝王賞の上位騎手に「意外な共通点」も? D.レーン、武豊がともに馬券圏外の凡走…上半期のG1は藤岡佑介から始まり藤岡佑介で終わる

フェブラリーSと帝王賞を優勝した藤岡佑介騎手 撮影:Ruriko.I

 26日、大井競馬場ではダートの頂上決戦・帝王賞(G1)が開催。宝塚記念(G1)も終わり、上半期を締めくくる正真正銘のラストG1は、藤岡佑介騎手が騎乗した3番人気キングズソード(牡5、栗東・寺島良厩舎)が優勝した。

鞍上の強気な判断がキングズソードの快勝を導く

「4コーナーで後ろを確認したらウィルソンテソーロが見えたのですが、そのまま突き放すような反応でしたし、あとは止まらないで行ってくれという感じでした」

 会心の勝利を藤岡佑騎手がそう振り返った通り、好位3番手の追走から最終コーナーで先頭に立つ、強気な競馬で抜け出す完勝。1馬身3/4差の2着に敗れたウィルソンテソーロに騎乗していた川田将雅騎手も「勝ち馬が強かったです」と完敗を認めざるを得ないほどの横綱相撲だった。

 13頭立てで争われたダート2000m戦。川崎記念(G1)を逃げ切ったライトウォーリアがハナに立ち、バーデンヴァイラーが2番手につける。スタートを決めたキングズソードも並ぶような格好で外目の3番手を追走した。

 向正面を過ぎたあたりから後続も徐々にポジションを上げるが、鞍上の手が激しく動いた先行2頭を尻目にキングズソードは楽な手応えで早くも先頭へ躍り出る。川田騎手とウィルソンテソーロのコンビも懸命に追いすがるが脚色の違いは歴然。そのまま2頭の差が詰まらぬままゴールし、後方から末脚を伸ばしたディクテオンが3着に入った。

「初G1勝利を決めたJBCクラシック(G1)の再現VTRみたいな楽勝でした。近走は3連敗と残念なレースが続きましたが、これで完全復活といえそうです。距離もこれくらいが向いている印象ですし、秋もトップクラスの1頭として活躍に期待できるでしょう。

D.レーン騎手のセラフィックコール、武豊騎手のノットゥルノも人気になりましたが、どちらも馬券圏外に凡走。上位に入線していた騎手の顔触れを振り返ると、今年のG1で勝利を挙げていた騎手ばかり。9番人気で3着に食い込んだ横山和生騎手も好騎乗でしたね」(競馬記者)

 混戦を制した藤岡佑騎手はフェブラリーS(G1)を11番人気ペプチドナイルで優勝しており、今年最初のG1と上半期最後のG1を制したことになる。2着ウィルソンテソーロの川田騎手はNHKマイルC(G1)をジャンタルマンタル、3着ディクテオンの横山和騎手はベラジオオペラで大阪杯(G1)、4着グランブリッジの坂井瑠星騎手は高松宮記念(G1)をマッドクールで優勝していた。

 終わってみれば今年ここまでのJRA・G1を優勝していた面々。7着ノットゥルノの武豊騎手、8着セラフィックコールのレーン騎手、9着メイショウハリオの浜中俊騎手が、いずれもG1未勝利だったことを思えば、対照的な結果だったといえるかもしれない。

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