過怠金「計16万円」若手騎手が土日で4回の制裁!田辺裕信「ごちそうさまでした(笑)」の裏で不名誉記録

ラジオNIKKEI賞を優勝した田辺騎手 撮影:Ruriko.I

 先週末からスタートした夏の福島開催。待望の初G1勝利を手にした津村明秀騎手、菅原明良騎手の参戦も注目を集めた中、存在感を見せたのは地元福島出身の田辺裕信騎手だ。

 土曜は4鞍に騎乗して未勝利と精彩を欠いたが日曜は一変。10Rのいわき特別(2勝クラス)を2番人気サノノエスポで勝利すると、メインレースのラジオNIKKEI賞(G3)は、6番人気の伏兵オフトレイルで鮮やかな直線一気を決めた。

 インタビュアーから地元福島での重賞勝利の味は?と問われた際、「美味しかったです。ごちそうさまでした(笑)」と答えたように、これには本人もご満悦。得意舞台で今週末も活躍を期待したい。

田辺騎手が活躍した裏で発生した不名誉記録

 そんな田辺騎手とは別の意味で注目を集めてしまったのが、デビュー2年目の若手・佐藤翔馬騎手である。

 佐藤騎手は競馬学校の第39期生。同期の田口貫太騎手、小林美駒騎手、小林勝太らがブレイクの兆しを見せている世代のひとり。ルーキーイヤーの昨年は3勝、今年ここまで1勝と波に乗り切れていない。

 本人も関係者の信頼を勝ち取って飛躍のチャンスを掴みたいところだったが、福島に参戦した先週末の開催では、別の意味で名前を売ってしまったかもしれない。

 というのも土曜5鞍、日曜2鞍の計7鞍に騎乗していた佐藤騎手だが、あろうことか土日で2回ずつ計4回の制裁を受けてしまったからだ。

 まず、ナックオリオン(8番人気6着)に騎乗した土曜福島5Rを最後の直線で「御法(鞭の使用)について過怠金1万円の処分を受けると、ナックトライアンフ(8番人気5着)に騎乗した6Rでも同じく最後の直線での御法(鞭の使用)について過怠金3万円の処分。2レース連続で同じミスを犯した。よりによって同じオーナーの所有馬で繰り返しただけに、本人もバツが悪かったに違いない。

 これだけでも2年目の若手騎手としては、“肝を冷やした”はずだったが、佐藤騎手の悲劇はまだ終わらなかった。

 翌日の日曜福島でもダンシングウィズ(16番人気16着)に騎乗した3Rで、3コーナー通過後の御法(鞭の使用)について過怠金5万円の処分を受けただけでなく、ジェイエルトランス(14番人気14着)に騎乗した最終レースでも、最後の直線コースでの御法(鞭の使用)について過怠金7万円の制裁を受けてしまったのだ。

 終わってみれば土曜は5R、6Rと立て続けに同じオーナーの所有馬、日曜は2鞍に騎乗してどちらも同じ制裁を受けるというありさま。こちらについてはネットの掲示板やSNSでも、一部のファンから「また繰り返しちゃった」「反省していない?」「さすがに4回は多過ぎる」と心配する声も上がっていた。

「うーん……ここまで連続するケースはさすがに珍しいですね。佐藤騎手が必死になって騎乗しているからこそ、つい熱くなってしまった可能性もありますが、これだけ短期間に同じ制裁を何度も食らうと問題です。

同期が活躍していることもあり、焦る気持ちもあったでしょうけど、各馬のオーナーや関係者からの心証が悪くなるだけに注意したいところ。一生懸命に乗る姿は若手騎手らしくていいと思いますが、ルールは守らないといけません」(競馬記者)

 気になるのは回数を重ねたことで雪だるま式に増えていった過怠金の額だ。1回目は1万円だったが、2回目は3万円、3回目に5万円、4回目に7万円まで加算された。全部を合わせると計16万円まで膨れ上がっている。

 騎手はレースに参加した時点で騎乗手当がもらえるものの、 佐藤騎手が騎乗していたのは重賞でもない平地競走だけに約4万円。過怠金と相殺するとなかなか痛い金額だ。佐藤騎手としては、「骨折り損のくたびれ儲け」といったところかもしれない。

GJ 編集部

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