キングズソードとブエナビスタが強力援護!?小倉のプロキオンSは過去2回で大波乱…打倒ヤマニンウルスの「怖い刺客」はこの2頭!

帝王賞を制したキングズソード 撮影:Ruriko.I

 半年の沈黙を破り、ダートの怪物候補が戻ってくる。

 7日、小倉競馬場で行われるプロキオンS(G3)に、デビューから4戦無敗の快進撃を続けるヤマニンウルス(牡4、栗東・斉藤崇史厩舎)が出走を予定している。鞍上には勿論、主戦騎手を務める武豊騎手だ。

 5月の平安S(G3)で復帰を予定していたが、裂蹄で態勢が整わず回避。7月のプロキオンSが仕切り直しの一戦となる。中間も順調に乗り込みを続けており、あとは結果が出るのを待つのみといったところか。

ダートの怪物ヤマニンウルスが半年ぶりに復帰

 また、今年のプロキオンSは昨年の中京・ダート1400mとは異なり、小倉・ダート1700mでの開催。2年前の8月に2着馬を4秒3も置き去りにする、衝撃デビューを飾った本馬にとっては好都合といえる。600キロ近い超大型馬のため、窮屈になるリスクの伴う内枠ではなく、6枠11番の外を引けたことも歓迎だろう。

 陣営も大きいところを狙える馬と期待しているだけに、このまま無敗の5連勝を挙げても不思議ではないのだが、小倉のプロキオンSには魔物が潜んでいることも思い出しておきたい。

 というのも他場の改修の関係で変則開催となった21年と22年は、いずれも大波乱の結末となっていたからだ。

 21年は9番人気メイショウカズサが勝利し、2着に14番人気トップウィナー、3着に12番人気メイショウウズマサが入り、3連単の払戻しが194万馬券と大荒れ。22年も4番人気ゲンパチルシファーが穴をあけ、2着に14番人気ヒストリーメイカー、3着に12番人気サクラアリュールが入り、3連単の払戻しが71万馬券という荒れ放題。2年連続で2着3着が超人気薄だったのだから、ただごとではない。

 当のヤマニンウルスもクラスが上がるごとに2着馬との着差が詰まっており、半年ぶりの休み明けとなる今回もまた、おそらくこれまで同様のプラス体重が予測される。ブルーサンやバスラットレオンにデシエルトなど、逃げる競馬で結果を残している馬も出走。これまで2番手から抜け出す競馬の続いたヤマニンウルスも、過酷な先行争いに巻き込まれる可能性が高い。

一筋縄ではいかない小倉のプロキオンSで注目の2頭

 そこで注目したいのが、逃げ先行馬を見ながら競馬ができる好位追走の2頭である。

 1頭はスレイマン(牡6、栗東・池添学厩舎)。女傑ジェンティルドンナの弟という良血の本馬は、ダート1700m条件で4戦2勝2着1回3着1回と安定した成績。今年1月の門司S(OP)を4馬身差で圧勝しているだけでなく、特筆すべきは2着に敗れた昨年8月の阿蘇S(OP)だ。

 敗れはしたが、勝ち馬のキングズソードは次走のJBCクラシック(G1)を4馬身差で楽勝。先日の帝王賞(G1)も制して2つ目のG1タイトルを手に入れた大物だった。さらに阿蘇Sは良のダートで1分42秒0の好時計。2着のスレイマンも1分42秒2で駆け抜けている。高速決着が予想される今回は強調材料となるはずだ。

ハピをブエナビスタに例えた横山典弘騎手 撮影:Ruriko.I

 もう1頭は、重賞で惜敗が続いているものの、トップクラスの素質を秘めているのがハピ(牡5、栗東・大久保龍志厩舎)。前走の平安Sは前に行った馬が残る展開に泣いたものの、初コンビの菱田裕二騎手と相性の良さを見せて2着。今回も57キロで出られるのは歓迎だ。

 意外なことに本馬がダート1700m戦に出走するのは今回が初。小回りのローカルで詰めの甘さが解消される期待も持てそう。3歳冬に挑戦したチャンピオンズC(G1)で3着に入った際、横山典弘騎手が「ブエナビスタみたい」と絶賛したのがこの馬。当時1~2年後には凄い馬になると予言した大ベテランの言葉が正しければ、そろそろ真価を発揮する頃合いかもしれない。

高城陽

大手新聞社勤務を経て、競馬雑誌に寄稿するなどフリーで活動。縁あって編集部所属のライターに。週末だけを楽しみに生きている競馬優先主義。好きな馬は1992年の二冠馬ミホノブルボン。馬券は単複派で人気薄の逃げ馬から穴馬券を狙うのが好き。脚を余して負けるよりは直線で「そのまま!」と叫びたい。

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