社台牧場が「21年ぶり」重賞V!元JRA安藤勝己氏「これが序章かもしれない」…レッドラディエンス注目の次走は
7日、福島競馬場で行われた七夕賞(G3)は、2番人気のレッドラディエンス(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)が優勝。近走は先行策で結果を出していたが、この日は控える競馬を見せ、重賞初挑戦で鮮やかな勝利を飾った。
好スタートを決めたレッドラディエンスは道中、中団やや後方をポツンと追走。馬群に揉まれない形になったことも最後の伸びにつながったかもしれない。
1000m通過57秒3というバビットが作り出したハイペースにもしっかり対応。3~4コーナーの勝負所で鞍上がゴーサインを送ると、徐々に進出していき、いい手応えで直線を向いた。
大外を力強く伸びたレッドラディエンスは残り100mを切ったところで、先頭に立ちそのままゴール。同馬をマークするように後方集団にいた1番人気のキングズパレスを2馬身突き放した。
「道中の折り合いも良く、リズムよく運べて良い形でした。仕掛けてからも反応して、しっかりと伸びてくれました。強かったですね」
レース後、納得の表情を浮かべて勝因を語ったのはレッドラディエンスと4度目のコンビを組んだ戸崎圭太騎手。自身はトーラスジェミニと制した2021年以来、3年ぶり4度目の七夕賞制覇となった。
レッドラディエンス注目の次走は
「昇級初戦の前走・メトロポリタンS(L)が2着。今回が重賞初挑戦にもかかわらず、57kgのハンデを課されました。これには『少し見込まれた気がする』と陣営も嘆いていましたが、全く問題にしませんでしたね。
2勝クラスと3勝クラスを突破するのにそれぞれ3戦を要したように勝ち切れないイメージもありましたが、初めての重賞でこの強さ。5歳夏を迎えて馬も充実期に入ってきたのかもしれません。次は予定通り新潟記念(G3)に向かうようですが、主役の1頭になるのは間違いないでしょう」(競馬記者)
「堅実さが売りやったけど、一皮剥けてきそうな勝ちっぷり。トレンドの人馬やで、これが序章かもしれない」
レース後、自身のXにそうポストしたのは元JRA騎手の安藤勝己氏だ。「序章かもしれない」という言葉にレッドラディエンスに対する期待の高さが集約されている。新潟記念もあっさり勝つようなら、天皇賞・秋(G1)でも要注目の存在となりそうだ。
また、レース後に一部ファンの間で話題となっていたのが同馬を生産した社台牧場の存在だ。日本を代表する社台ファームと同じ“社台”の名称を冠しているが、いわゆる社台グループには属していない。
ただ、社台牧場を創業した吉田善助氏は、社台グループの創業者・吉田善哉氏と親子の関係。つまり、社台グループの“生みの親の親”というわけだ。
社台牧場にとって重賞制覇はダービーレグノで制した2003年新潟記念以来、実に21年ぶり。老舗牧場に待望の大物誕生となるか。今後の快進撃に期待したい。