武豊「残り3戦」ドウデュースと史上3組目の快挙なるか。「4センチ差」で涙をのんだ25年前のラストラン

ドウデュースと武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 一昨年のダービー馬ドウデュース(牡5歳、栗東・友道康夫厩舎)が年内で引退する方向であると、本馬を所有するキーファーズ代表の松島正昭氏が明かした。1番人気で敗れた宝塚記念(G1)から巻き返しを期する今秋は、天皇賞・秋(G1)から始動しジャパンC(G1)、有馬記念(G1)の3戦を予定している。

 また、ドウデュースの主戦を務める武豊騎手も公式サイトの日記を更新。「言わば引退までのカウントダウンが始まったわけですから、全力で3連勝を目指すのは当然です」とつづり、パートナーとの残り3戦で全力を尽くすことを誓っていた。

 今年で現役生活38年目を迎えている武豊騎手だが、いわゆる秋のグランドスラムと言われている天皇賞・秋、ジャパンC、有馬記念の3レースをお手馬と同一年にすべて制したことはない。

 ただ、惜しくも達成を逃したことなら過去にあった。中でも最も近づいたといえるのがスペシャルウィークとともに挑んだ1999年だ。

「4センチ差」で涙をのんだ25年前のラストラン

 武豊騎手が初めてダービージョッキーになった際のパートナーでもあったスペシャルウィークは、秋初戦の京都大賞典(G2)で7着に敗れると、天皇賞・秋では4番人気と評価を落としていた。だが、レースでは後方待機から直線でステイゴールド以下を差し切って優勝。続くジャパンCでも香港のインディジェナスや凱旋門賞馬モンジューなどを退けて連勝を飾った。

 秋の古馬王道G1完全制覇をかけて臨んだ有馬記念では、先に抜け出したグラスワンダーをゴール寸前で大外から強襲する格好でほぼ同時に入線。際どかったものの、武豊騎手は勝利を確信したようでウイニングランも行ったのだが、写真判定の結果はハナ差でグラスワンダーに軍配。武豊騎手とスペシャルウィークはわずか4センチの差で快挙を逃がした。

 近年ではキタサンブラックとのコンビで臨んだ2017年も、あと一歩のところで快挙達成とはならなかった。

 同年春の大阪杯(G1)と天皇賞・春(G1)を完勝したキタサンブラックだが、宝塚記念でまさかの9着に大敗。それ以来の一戦となった秋の天皇賞は大雨の影響で極悪の馬場状態。スタートでも後手を打つこととなったが、他馬が荒れたインコースを避けて走る中、4コーナーで最内を突くレジェンドの神騎乗が炸裂。最後はサトノクラウンとの死闘をクビ差で制した。

 この年のキタサンブラックは暮れの有馬記念も勝って有終の美を飾ったことは知られるところだが、ジャパンCでは勝ったシュヴァルグランから0秒2差の3着に敗れてグランドスラム達成を逃している。

「いま改めて振り返るとスペシャルウィークは本当に惜しかったですよね。また、キタサンブラックはジャパンCこそ獲れませんでしたが、前年の同レースでは優勝していました。

ちなみに秋のグランドスラムを達成した人馬は、テイエムオペラオーと和田竜二騎手、ゼンノロブロイとO.ペリエ騎手の2組のみ。昨年のイクイノックスは、天皇賞・秋とジャパンCを連勝して引退。もし有馬記念にも出走していれば、3連勝に成功していたかもしれませんね」(競馬記者)

 この秋は史上3組目となるグランドスラム達成が最大目標となってくるドウデュースと武豊騎手のコンビ。本来なら昨年も挑む予定だったが、武豊騎手が天皇賞・秋の当日に負傷したことにより、有馬記念以外は戸崎圭太騎手に乗り替わりとなってしまった。

 3戦のうち2戦を棒に振ってしまっただけに、レジェンドも今年にかける意気込みは間違いなく強いはず。今春はやや不完全燃焼のレースが続いたが、上手く導くことができれば自ずと結果もついてくるはずだ。

GJ 編集部

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