「3000万円級」の大波乱演出に本人もビックリ!確勝期した敗戦に戸崎圭太はガックリ…「ルメールロス」嘆くファンも
重賞開催が函館記念(G3)のみだった先週の日曜。実力拮抗の馬が揃ったフルゲート16頭の一戦を制したのは、岩田康誠騎手が騎乗したホウオウビスケッツだった。
ステップレースとしての相性は悪くなかった巴賞組だが、勝ち馬が連勝で函館記念を制したのは、2005年エリモハリアー以来となる19年ぶり。近年の傾向を重視するデータ派にとっては、想定外の珍事に映ったかもしれない。
また、この日のWIN5対象レースのトリを務めた函館記念が終了し、3番人気ホウオウビスケッツがラストを飾った払戻は、3110万2690円という超高配当。見事的中した14票の生存者は「ビッグな夏のボーナス」となったのではないか。
函館記念を3番人気が勝利もWIN5は3000万円級の大波乱
ここまで配当が大きく跳ね上がった最大の要因は、4つめの対象レースとして行われた福島11R福島テレビオープン(OP)で、単勝オッズ1.6倍に支持されたエターナルタイムが敗れ、9番人気の穴馬カリボールが穴をあけたことだろう。
前走の鞍馬S(OP)を13番人気で3着に激走していたとはいえ、同馬はキャリア34戦目の8歳という高齢の上、2年前の春にオープン入りしてから13連敗中。そんな老兵が勢いのある大本命馬を負かしてしまったのだから、ちょっとした大金星といえる。
これには今回が初コンビだった杉原誠人騎手も「8歳という歳ですがビックリするような勝ち方をしてくれました」と驚いた一方で、単なるラッキーではなかったことを証明したのが「馬場の悪いところは苦にしないと思い内々を通って行きました。内で脚が溜まりました」というコメントだ。
16頭立てで争われた芝1200mのレース。逃げたアビッグチア、2番手につけたエターナルタイムが外の進路を選択したのに対し、好スタートを決めたカリボールは内ラチにピタリとつけて最短距離を通るロスの少ない進路取りが見事にハマった。
コーナーワークで先頭に躍り出ると、後続の追い上げを凌ぎ切ってゴール。最後の直線だけ少し外に出した鞍上のクレバーな立ち回りが勝利を呼び込んだ。3着に入ったデュガも内からスルスルと伸びていたことを考えれば、外を回した馬とは走った距離の短さが明暗を分けたようにも映った。
「結果論ではありますが、エターナルタイムの戸崎圭太騎手にとっては、悔いが残るレースになってしまいました。絶好のスタートを決めて進路をどう選ぶかも余裕があったはずですが、戸崎騎手は外から競りかけてきたスリーパーダを気にしたのか、いったん先に行かせて自身は外、外に進路を取る安全策を選びました。
パートナーを信頼していたからこそ、とにかく不利を受けにくいポジションでと、考えたのかもしれませんね。ただ、道中で終始外を回ったロスも少なからず影響したと思います。3/4馬身という着差が着差だけに、勝ち馬と同じように内を走っていれば、違う結果になった可能性もありそうです」(競馬記者)
レース後のコメントで「ロスなくスムーズに行きました。結果だけが……」と戸崎騎手が振り返ったのも、皮肉な結末に終わってしまったといえそうだ。
もちろん、カリボールと杉原騎手のコンビが素晴らしい勝利を挙げ、エターナルタイムと戸崎騎手のコンビが確勝級といえるほど、力が抜けた存在ではなかったこともあるはずだ。
その一方で、エターナルタイムがC.ルメール騎手のお手馬であり、主戦が夏休みに入っている関係で戸崎騎手が代役を任されていたため、ネットやSNSでは一部のファンから「ルメールなら勝っていた」「戸崎を信じて失敗した」「距離のロスよりルメールロスが敗因」と嘆く声も見られた。
5つの対象レースで勝ち馬を選ぶWIN5を購入していたファンには、単勝1.6倍のエターナルタイムを信じて1点にした人も多かったはず。
前半の3つが、4→5→4番人気と小波乱が続いていたため、エターナルタイムが勝っていても100万円超えが視野に入る途中経過。それだけに3つ目まで生き残っていたファンから「2位じゃダメなんですか?」と恨み節が出たのも無理はなかったか。