藤田晋オーナーに強力援軍!? 「チーム・スターズオンアース」で“周回遅れ”の初陣…シュヴァルグラン産駒は遅れてきた大器となれるか
今週末は新潟と札幌の2場で計13鞍が組まれている3歳馬による未勝利戦。一昔前にあったスーパー未勝利は廃止されており、今年のタイムリミット(9月1日)は約1か月後に迫っている。
日曜の札幌4R・3歳未勝利(芝2000m)には、フルゲート16頭が出走予定。メンバーで唯一の初出走となるのが、シュヴァルグランの初年度産駒であるグッドヴァイブス(牡3歳、美浦・高柳瑞樹厩舎)だ。
父シュヴァルグランは競走馬として3歳秋に本格化し、5歳時にジャパンC(G1)を制覇した典型的な晩成型だった。その血が濃く出ているのか、現3歳の初年度産駒は先週までに65頭がJRAでデビューするも、勝ち上がったのは8頭だけで、計10勝にとどまっている。父が進化を遂げた3歳の秋にかけて、この夏以降に産駒の真価が問われることになりそうだ。
また、産駒の適性距離は父と同様に長い方がベター。産駒で唯一2勝以上しているメリオーレム(3勝)は2000mと2600mで勝ち名乗りを上げている。グッドヴァイブスも2000mくらいが適距離といえるかもしれない。
“遅れてきた大器”となれるか
そんなグッドヴァイブスは、『ウマ娘 プリティーダービー』(Cygames)でお馴染みの藤田晋オーナーの所有馬。セレクトセールでの藤田オーナーの“爆買い”は恒例行事化しつつあるが、本馬は22年の北海道セレクションセール1歳部門で1595万円(税込)のお値打ち価格で競り落とされた。
今回が初出走ながら、鞍上にC.ルメール騎手を配してきた辺りは期待の表れか。ルメール騎手と管理する高柳瑞厩舎といえば、2年前の二冠牝馬スターズオンアースのコンビとしても知られる。
約1か月の夏休みから戻ってくるルメール騎手は今週末が大事な始動戦。心身ともにリフレッシュされ、復帰週からいきなり白星量産と行きたいところだろう。
一方の高柳瑞厩舎は、今年まだ9勝のみで全国リーディング106位。管理する現3歳世代は9頭が勝ち上がっているものの、そろって1勝しか挙げられていない。馬主として存在感を強めている藤田オーナーの信頼を得るためにも、グッドヴァイブスをいい状態に仕上げてレースに向かいたいところだろう。
果たして、「チーム・スターズオンアース」は藤田オーナーの強力援軍となれるのか。1歳下の2歳馬たちが続々と勝ち上がる中、“周回遅れ”で初陣を迎えるグッドヴァイブスの走りに要注目だ。