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アイビスSD(G3)は穴党垂涎の1戦!? 桃井はるこが見出した至極の推し馬とは……?【モモーイの超!大穴でGJ!】

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 夏って、こんなに暑いものでしたっけね……あなたは夏バテしていませんか? ちょっとした移動だけで汗だく、ヘトヘトになっちゃうような尋常じゃない気温、湿度ですからね。私も外出時にはハンディファンや冷感汗ふきシートを常備していますが、もうすこし身近なものでなんとかならないかと考えました。

 試しに、食品を買った時にもらった保冷剤を長細い手ぬぐいで包んで首に巻いてみたのです。今ちょっと流行している電気式で首の後ろに冷たい鉄板(「ペルチェ素子」というらしいですよ)を当てて涼しさを得るという保冷グッズにヒントを得て急場しのぎで考案しました。気休め程度ですが、ないよりいいかも。お気に入りのかわいい柄の手ぬぐいにすればちょっと気分も上がりますしね、真似してもいいですよ。でも冷たい部分をもっとぎゅっと当てたいがあまり、首を絞めつけすぎないように気を付けてくださいね。

 そしてやっぱりこの夏を乗り切るには、とにかく休養を取ること、それからストレスを溜めないことだと思いますよ。嫌なことは忘れて、うまいこと涼しい場所に逃げこみ、楽しいことを考えて過ごしたいですよね。

 涼しい場所といえば、映画館です。私は月に一回くらいは映画館に行きます。携帯電話の電波を切ってスクリーンの中の世界に集中する時間は、気分転換になっていいんですよね。先日は『長岡大花火 打ち上げ、開始でございます』を観てきましたよ。

日本三大花火の一つと言われている長岡まつりでの大花火大会。その2023年開催時の模様を、20台以上のカメラで撮影したというドキュメンタリー作品です。

 映画のクライマックスでは、信濃川に架かる長生橋が約750メートルの花火で彩られるナイアガラの全体像も見られますし、かたや、敢えて花火の全体像を映さず、画面に入りきらないようなカットもあったりしてリアルの長岡花火の輝きを感じさせてくれます。

 実は私の母が長岡市出身で、叔父に教えてもらってこの映画を知ったのでした。子供の頃は毎年母の実家に帰っていましたが、大人になってからは忙しさにかまけてご無沙汰していました。でも去年、パンデミックでの中止を経て再開した長岡大花火を久々に現地に観に行って、大変感動しました。河川敷に座って見る約2万発といわれる花火は、色とりどりの光が次々と自分に向かって迫ってくるようにも思え、まるで敵の弾が画面を覆わんばかりに飛んでくるシューティングゲームの一場面に放り込まれるような、ものすごい迫力でした。映画を見たことでもう一度、生で観覧に行きたくなりました。

 そんな長岡市があるのは、新潟県です。新潟に夏の訪れを告げる風物詩といえば、アイビスサマーダッシュ(G3)ですよね! 去年は9人気オールアットワンスが勝利して80万馬券、22年、21年と3連単の配当20万円超の決着、穴党としては絶対ゲットしたいレースです。

 アイビスSDのイメージとしてはまず、過去10年の結果を見ると牡馬が3勝、牝馬が7勝。そして一昨年2着のシンシティのように、ダートの短距離を走った経験がある馬が活躍していますね。これは、脚を溜めて直線の切れ味に懸けるのではなく、スタートで飛び出してからずっとスピードを維持できるスタミナを持つ、ダート短距離に似た適性が求められるということなのでしょうか。

 そしてもうひとつ、千直の競馬でよく言われていることは「外枠有利」です。しかし去年は馬番3番のオールアットワンスが1着、2番のロードベイリーフが3着。21年には1番のバカラクイーンが敢えて内ラチ沿いに進路を取り3着に粘るということもありましたし、過去10年の勝ち馬を見ていくと二桁馬番は6頭でした。ただ外を買っていれば獲れるというわけではなさそうです。

 とにかくダッシュの付く外枠一辺倒というイメージが、21年に3着に食い込んだバカラクイーンによって覆された心理的要因もあるのでしょうか。翌年から内ラチ沿いを狙う作戦の馬も出てきていて、荒れていますよね。そこでもう一度、過去のアイビスSDの映像をよく見てみることにしました。すると、あることに気づいたんです。

 23年、22年には18頭立てのフルゲート、21年には16頭立て(出走前に1頭除外)だったのですが、16頭立ての場合、内から詰めるように配置されるのではなく、外枠の馬の位置は変わらず、1番の馬がフルゲートの場合の3番場所のゲートに入っており、ラチ側に余裕があったのです。それでスタート時に狭くならず、ダッシュがついたように見えたんです……。気のせいでしょうか?

 新潟競馬場は全面が野芝。生育の良い夏の開催週で内枠の馬場が荒れていないというのもあるかもしれません。とくにフルゲートにならなかった場合は1番の馬は押さえておきたいと思いました。このコラムを執筆している段階では枠順は確定していないのですが、外有利という先入観にとらわれず予想したいと思うのでした。

 それから、アイビスSDはリピーターが多いレースですよね。去年勝利したオールアットワンスは21年の勝ち馬ですし、22年に勝利したビリーバーも20年に3着と好走していましたね……やはり、特殊な条件で行われるだけにピーキーな適性が求められるレースだということでしょうね。

 では、今年のわたしの◎を発表します。本命は、マイヨアポアです!

 牝馬6歳、鞍上は新潟千直巧者の石川裕紀人騎手。そしてこの馬、夏場に好走するのです。夏の新潟開催の成績は(2-2-0-0)と、参戦した全てのレースで連対。昨年の夏に同じコースの稲妻S(3勝クラス)を54秒7というその年のアイビスSDより速い時計で勝利しています。

 管理する和田正一郎厩舎はこのレースを19年に勝利し、3年連続連対を果たしたライオンボスと同じというのも心強いです。母のエバーローズの現役時の成績を見て、また驚きました。新潟千直を使って3連勝してから繁殖にあがっている、いわば新潟千直の鬼だったのです。

 さらに、マイヨアポアという不思議な語感の馬名の由来は「自転車レースのツールドフランスで山岳賞に与えられるジャージの略称」なんだそうで……今まさに、フランスでオリンピックが開催中ではないですか! サインまで出ちゃいました。ここまで好走しそうな条件が揃っているので、◎にしないわけにいきません。金メダルが見たい!

 〇はファイアダンサーです! 去年は前哨戦の韋駄天S(OP)を2着し、1番人気となったにもかかわらず18着の大敗。その敗因は大きな出遅れと明確ですから、度外視できるでしょう。アイビスSDは1人気の3着内率が80パーセントと人気馬の信頼度が高いレース。ならば去年の1人気がリベンジしてもいいじゃないかという少々強引な理論ながら、今年はジョッキーも違いますし、韋駄天Sでもきっちり3着に入り、勝ち馬から0秒1しか負けていません。人気をちょっと落とすなら狙ってみたいと思いますよ。

  ▲は、マウンテンムスメです。新潟千直はリピーターが多いのはその特殊な舞台ゆえ。適性を求められるのは騎手も同じでしょう。藤田菜七子騎手は21年から現時点まで同コースの騎乗回数は55回とトップ。韋駄天Sは逃げて2着の惜敗でした。季節が暑い夏に変わり、500キロに届こうかというパワフルな馬体を持つ牝馬の手綱を取るのはゲートを出すのが上手い藤田騎手。鮮やかにスタートを決めて、今回は逃げ切ってしまうかも。ちょっとここまで、大穴ではないような気もしますが……当たらないとしょうがないですからね!(おいおい……)

 そして△は、デュアリストです。前述したとおりこのレースへの適性が短距離ダートの適性と相関性があるとすれば、ここまでずっとダートを走ってきたこの馬の挑戦、応援しないわけにはいきません。新聞のコメントで福永祐一師も「ダート1200メートルと千直は親和性があるからね」(25日付サンスポより引用)とおっしゃっていますから、いきなりの連対もあるでしょう。

 ★は前哨戦の韋駄天S5着ながら、上がり最速(32秒2)をマークしたディヴィナシオンです。韋駄天Sを見ると、ラチに向かって刺さって走っており、最後は詰まり気味でした。鞍上は松山弘平騎手に替わりますし、展開ひとつで頭まであるスピードを持っているように見えましたよ。

 加えて、苦渋の選択ですが……多分人気するであろうモズメイメイも押さえます。去年の5月、京都で葵S(G3)を勝利した時のスタートは1頭だけフライングに見えるほど見事なものでした。そのレースで騎乗していた武豊騎手が「(1頭だけ早く飛び出した写真を)年賀状にしましょう」とコメントをされていた(「武豊TV! II」フジテレビONE のが大変印象的です。前走では道中で斜行、その前は出負けしているのでスタートを決められるかが勝利のカギですね。

 チェイスザドリームは前走韋駄天Sでは丸山元気騎手を鞍上に1人気で勝利し、確かに強い競馬でしたが、坂井瑠星騎手騎乗時の成績は(0.0.0.5)……きっと1人気になるでしょうし、ならばここでは特大ホームランを狙って、違うコースを大振りしてみようと思います!

 と、ここまで喫茶店でブルーハワイフロートを飲みながら、一気に書き上げた今回のコラム……涼しい店内にいるのに、なんだか体感温度が上昇してきてしまいました。そうそう、涼しい場所といえば、WINSの中も快適ですよね。いつか新潟の現地に赴きたいと夢見つつも、今年は涼しい場所でアツい新潟の勝負の行方を見守りたいと思います!

銀座のシアターにて。楽しいおひとり様時間です。
銀座のシアターにて。楽しいおひとり様時間です。

(文=桃井はるこ)

-桃井はるこ 最新情報-

● 上坂すみれ ベストアルバム『SUMIRE CATALOG』リード曲「ファーストピリオド.」作詞・作曲
(https://king-cr.jp/uesakasumire_sumire_catalog/)

●ライブイベント「#HNGSONIC2024 supported by テレビ愛知」出演
8/14(水)・8/15(木)名古屋にて開催
( 詳細:Xハッシュタグ #HNGSONIC2024 にて )

●レギュラー番組「モモーイ党せーけん放送」
毎月1回押上 WALLOP放送局にて公開生放送
https://www.wallop.tv/archives/discography/momoi

●レギュラー番組「モモイバルクイズシティ」
Nintendo Switch・Steamにて配信中のゲーム『サバイバルクイズシティ』ライブ広場にて 毎月第4月曜日19時~ 生配信
https://sqcgame.com/machikado

その他の情報は
桃井はるこ公式ホームページ http://rg-music.com/momoi/
桃井はるこX https://twitter.com/momoiktkr

 

桃井はるこ

桃井はるこ

シンガーソングライター、声優。2013年オルフェーヴルの引退レースに感動し、東京大賞典で競馬現地初観戦。中央、地方ともに好き。最強の思い出は2016年有馬記念フェスティバルで一列目を引き武豊騎手とルメール騎手の間の席で観覧したこと。落ち着いたら北海道の牧場にまたひとり旅に行きたいな。

Twitter:@momoiktkr

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