【関屋記念】ジェンティルドンナ「全姉」がレコード勝ちした12年前の夏…新潟マイルの舞台に今年もスピード自慢が集結【東大式必勝馬券予想】

【東大式必勝馬券予想】

 今週末から第2回中京競馬が加わって3場体制となり、小倉記念(G3)が行われるが60回目にして初の中京開催、データに乏しいので新潟の関屋記念(G3・芝1600m)の方を書くことにしよう。

 “関屋”というのは新潟競馬場の昭和39年までの所在地で、阪神で言えば鳴尾(記念)、府中なら目黒(記念)みたいなもの。新潟市西部に位置し北越戊辰戦争の舞台ともなった地で、今は県随一の進学校である新潟高校が建っている。数多の著名人を輩出しており、元NHKで現『報道ステーション』(テレビ朝日)キャスター大越健介氏もその一人。

 東京大学で私の2コ下なのだが1年の時から野球部のエースとして大活躍。「大越が投げたら早稲田・慶応・立教なら勝てる」と神宮通いの東大生が急増、実際優勝寸前までいき、NHKが東立戦を全国中継したことも。六大学リーグ通算8勝27敗は以降超える者が現れぬ金字塔だ。

 閑話休題、競馬の方の関屋記念に話を戻そう。設立当初は右回り2000m、時期も一定せず名馬の出走に乏しかったが、コース改修などの変遷を経て2012年からサマーマイルシリーズ第2戦(今は第3戦)に指定され秋のG1を狙う強力馬も参戦するようになった。思い出の馬は2012年優勝のドナウブルー。1歳下の全妹ジェンティルドンナが桜花賞(G1)・オークス(G1)の牝馬二冠に輝き(その秋に三冠、さらにG1・ジャパンC優勝)姉の沽券にかけて負けられないレースとなった。

 ドナウブルーは2歳秋に新馬・特別を連勝、年明けのシンザン記念(G3)はオルフェーヴルを差し置いて1番人気に。しかし5着に敗れフィリーズレビュー(G2)も1番人気4着とクラシックロードに乗れず、ようやく11月の平場で3勝目を挙げ、明け4歳初戦の京都牝馬S(G3)を格上挑戦ながら快勝。中山牝馬S(G3)11着の後のヴィクトリアマイル(G1)ではホエールキャプチャの2着と激走、安田記念(G1)10着を挟んで駒を進めたのが関屋記念だった。

ジェンティルドンナ「全姉」がレコード勝ちした12年前の夏…

 フルゲート18頭の中、ドナウブルーは単勝2.8倍の堂々1番人気、2番人気は前年の2着馬エアラフォン、3番人気はシルクアーネスト。良馬場、夏の快晴の下勢いよく飛び出したのは1歳上の桜花賞3着馬エーシンリターンズ、これを制してハナを奪ったのは2年前の関屋記念勝ち馬レッツゴーキリシマ、ドナウブルーは2番手に控える。直線に入りレッツゴーキリシマの逃げ脚衰え、エーシンリターンズとドナウブルーが抜け出し2頭のマッチレースとなるがドナウブルーがクビ差ねじ伏せたところがゴール。妹を彷彿とさせる豪快な勝ちっぷりで1分31秒5はコースレコードで今も破られていない。

 だが姉の威厳を示しホッとしたのか、妹の大活躍とは裏腹にその後10戦して勝てずじまい。繁殖入りしてからは初仔のイシュトヴァーン、2番仔のドナウデルタら活躍馬を出し現2歳のディアナザールも先月28日の新潟新馬戦で快勝デビューした。

 妹ジェンティルドンナはエリザベス女王杯(G1)勝ち馬のジェラルディーナを産んだものの勝ち上がったのはまだ2頭。母ドナブリーニも元気なだけに一族には日本競馬の発展のためにまだまだ頑張ってほしい。

 ちなみに超のつく余談だが、ドナウブルーの名はヨハン・シュトラウス2世のワルツ名曲「美しく青きドナウ」から来ていると思うが、音楽の都ウィーンを流れる実際のドナウ川は全然青くなく濁った茶色。観光で訪れて、くれぐれもガッカリされぬよう。

 この辺で「東大馬券王の大よそー」に移ろう。

 今年のマイル重賞・東京新聞杯(G3)、ダービー卿CT(G3)をそれぞれ勝ったサクラトゥジュール、パラレルヴィジョンに一昨年のクイーンC(G3)でスターズオンアースを下している“夏は牝馬”プレサージュリフトが1着候補だがこの3頭、勝つときは強いが負けるときは謎の2桁着順が実に多い。

 先日のクイーンS(G3)の結果から“今年の3歳馬は弱くない”とみてNHKマイルC(G1)3着で8戦すべて掲示板に載っているロジリオンを2、3着の軸に据えた3連単フォーメーションで勝負!押さえは20戦して3着内率8割のディオとロジリオンの2頭軸3連複。

 11日は日本のメダルラッシュとなったパリオリンピックの競技最終日で日本時間15時には女子マラソンの号砲が鳴る。我々も“暑熱対策”として冷房の効いた部屋で世界の祭典と夏競馬を2画面で楽しもう。(一部敬称略)

尼崎昇

初めて見たダービー馬はタニノハローモア。伝説的な名馬の走りをリアルタイムで見てきた筋金入りの競馬通は「当たって儲かる予想」がモットー。過去に東京大学で競馬研部長をつとめ、スポーツ新聞やラジオ解説を担当した勝負師の素顔は「隣の晩ごはん」や「おもいッきりテレビ」などの大ヒット番組を手掛けたキー局の元敏腕プロデューサー。德光和夫、草野仁ら競馬界の著名人との親交もあり、競馬談義を繰り広げる仲である。

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