武豊「なんて読むか分からなかった」も手応えあり?フォーエバーヤング、ラムジェット待つジャパンダートクラシックに向けサンライズジパングが好発進

武豊騎手 撮影:Ruriko.I

 3日、盛岡競馬場で行われた第56回不来方賞(G2)は、武豊騎手が騎乗した2番人気サンライズジパング(牡3、栗東・音無秀孝厩舎)が優勝。重賞初制覇を飾り、ジャパンダートクラシック(G1、以下JDC)の優先出走権を獲得した。

フォーエバーヤング、ラムジェット待つジャパンダートクラシック

「非常にいいレースが出来たので嬉しいですね。最後の直線は必ずいい脚を使ってくれる馬なので直線に向いたときには何とかなるなとは思いました。未完成な部分が多く、今は素質で走っている段階なのでまだまだ強くなれる馬ですね」

 レジェンドがレースをそう振り返ったように、さらなる伸びしろに期待出来る圧勝劇だった。

 12頭立てで争われたダート2000m戦。好発を決めたカシマエスパーダが積極策でハナを主張。これにパッションクライ、サトノフェニックスが続いてサンライズジパングは外目の4番手から追走した。向正面を過ぎたあたりから徐々に進出をはじめ、最終コーナー入り口で先頭のカシマエスパーダを射程圏に捉え、残り100m過ぎに競り落としてゴール。3馬身差をつける完勝に武豊騎手のガッツポーズも早かった。

 武豊騎手から「もっと苦しいパターンも想定していた」という言葉が出たように、少し驚いたのは近走で後ろからの競馬の多かったサンライズジパングが、イメージ以上に好位で競馬をしたことだ。この行きっぷりの良さを考えると、やはり芝よりもダートに適性があるようにも感じた。

 2着カシマエスパーダは前走の鳳雛S(L)を4馬身差で楽勝した相手だが、このレースで7馬身半差の3着に敗れたミッキークレストは、レパードS(G3)の3着馬。勝ったミッキーファイトと4馬身差だったことと比較すれば、サンライズジパングがトップクラスの実力を持っていることも分かる。

 実際、サンライズジパングはJBC2歳優駿(G3)でフォーエバーヤング相手に1馬身半差の2着に入った実績馬。JDCで大本命と目されるケンタッキーダービー(米G1)3着馬へのリベンジがかかる大一番に向けて好発進となった。

「大きな注目を集めた新ダート三冠ですが、頭数の少なかった羽田盃(G1)の頃は企画倒れという声も聞かれていました。ただ東京ダービー(G1)をラムジェットが楽勝し、超大物のフォーエバーヤングもJDCへの出走を表明。そこに今回のサンライズジパングやレパードS勝ちのミッキーファイトも参戦と盛り上がってきました。

大本命のフォーエバーヤング陣営はブリーダーズCクラシック(米G1)が最大目標。余裕残しの仕上げで臨む可能性も高いだけに他の馬にもチャンスは十分。いずれにしても今年のJDCは非常に楽しみなレースとなりそうですよ」(競馬記者)

 コンビを組む武豊騎手自身も、8月27日のブリーダーズゴールドC(G3)をオーサムリザルトで勝利。先週末の中央でもデビュー38年目にして初の札幌リーディングを獲得と絶好調だ。

 勝利騎手インタビューで「盛岡で久しぶりに勝てて僕自身も嬉しいですし、一昨日までなんて読むレースか分からなかったんですけど勝ててよかったです」とジョークを飛ばしたのも、本番への確かな手応えを掴んだ表れかもしれない。

 フォーエバーヤング、ラムジェット、ミッキーファイト、サンライズジパングの4強が激突する10月2日の大井競馬場(ダート2000m)に注目だ。

GJ 編集部

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