ジャスティンミラノ、ロードカナロア級の「怪時計」が続出…“ヤリ過ぎ中山開催”に驚きの声
先週末で夏を彩った新潟と札幌が終了し、8月からスタートしていた中京に加え、中山がついに開幕。「サマーシリーズ」最終週が残っていたものの、事実上の秋競馬が到来したといっていいだろう。
開催期間は4週間と短いが、その間には菊花賞(G1)トライアルのセントライト記念(G2)や天皇賞・秋(G1)を見据えた有力馬が集まるオールカマー(G2)、ラストウィークはスプリンターズS(G1)もあり、これから始まるG1戦線に向けた重要ステップが目白押し。夏場を休養にあてた有力馬の戦列復帰を心待ちにしているファンも多かったはずだ。
土曜に紫苑S(G2)、日曜に京成杯オータムH(G3)の行われた開幕週だが、やはり注目は開幕週特有の高速馬場である。
4月半ばの皐月賞(G1)開催日を最後に5ヶ月の休養を挟んだ芝のコンディションは絶好。中山に限らず開幕週は時計の速い決着となりやすいが、好天に恵まれた競馬日和だったこともあってか怪時計が連発した。
ジャスティンミラノ、ロードカナロア級の「怪時計」が続出
午前中は目立たなかったものの、午後に土曜7Rの1勝クラス(芝2000m)でフナデが1分57秒6をマークしたのを皮切りに本領発揮。準メインの10R汐留特別(2勝クラス、芝1200m)では1分6秒8が飛び出した。
これだけでも違和感を覚えたファンが少なくなかった中、この日のメインレース紫苑S(芝2000m)では、クリスマスパレードが1分56秒6というとんでもないタイムで駆け抜けてしまったのだ。これにはネットの掲示板やSNSでも驚きを隠せないファンの声が出ていた。
「フナデのタイム1分57秒6でさえ、今年の皐月賞でレコードを更新したジャスティンミラノの1分57秒1と0秒5差でした。これは異常だぞと感じていた2時間後にあっさり更新しただけでなく、それも0秒5上回っていたという衝撃のタイムです。
汐留特別の1分6秒8にしても、12年前のスプリンターズSでロードカナロアがマークした1分6秒7と0秒1差でしかありません。いくら馬場状態が良好とはいえ、さすがにヤリ過ぎでしょう。幸いこれといった大きなアクシデントは発生しませんでしたが、ここまで速いと脚元の負担や見えない疲れも気になります」(競馬記者)
この条件戦やG2ですらG1級のタイムが出た馬場は、いつもの高速馬場どころか“超速馬場”といっていいほど。翌日の日曜も5R・2歳新馬(芝1600m)をファンダムが1分32秒8でデビュー勝ち。昨年キャットファイトがマークした2歳コースレコードを0秒3更新している。
また、メインレースの京成杯AHのアスコリピチェーノは、芝1600mを1分30秒8で圧勝したが、こちらは2019年に同レースでレコード勝ちしたトロワゼトワルの1分30秒3と0秒5差だった。
とはいえ、京成杯AHは残り800mから11秒7-11秒4-11秒2-10秒9と連続した加速ラップ。後方3番手から2着に食い込んだ14番人気タイムトゥヘヴンが上がり3ハロン32秒4ということを考えても、やはり異常な馬場に映った。
レコード更新のインパクトは強いが、過去の歴史を振り返ると持ちタイムの速さイコール強さとは言い切れない。人馬の安全を考慮した場合、年々高速化の進む馬場を危惧する声が出ても不思議ではないだろう。