武豊「動くこともできませんでした」悔い残る連敗も収穫あり!秋華賞で「74連敗」克服にボンドガール陣営は手応え

ボンドガール 撮影:Ruriko.I

 開幕週の中山で最初に行われた重賞の紫苑S(G2)は、道中で2番手につける積極策から抜け出した5番人気のクリスマスパレードが優勝した。

 春はオークス(G1)の出走権をかけたフローラS(G2)で4着、矛先をダートに転じた関東オークス(G2)で9着と悔しい結果が続いたものの、秋初戦を1分56秒6のレコードで勝利。今回は胸を張って秋華賞(G1)に出走が出来そうだ。

 皐月賞(G1)でジャスティンミラノがマークした1分57秒1のレコードを更新する快走に、主戦の石川裕紀人騎手も「この先は明るい未来が待っている気がします」と手応え十分のコメント。2022年の勝ち馬スタニングローズ以来の秋華賞優勝に注目が集まる。

距離延長に不安のあるダイワメジャー産駒としては上々

 これに対し、またしても手痛い敗戦を喫してしまったのは、ボンドガール(牝3、美浦・手塚貴久厩舎)と武豊騎手のコンビだ。2着ミアネーロと同じく上がり3ハロン最速33秒0の末脚を伸ばしたものの、前の馬を捉え切れずに3着。本番の優先出走権を確保したとはいえ、悔いの残る敗戦だったといえる。

 というのも、2番人気に支持された前走のクイーンS(G3)も最後の直線で11番手から脚を余す格好で2着。このとき「あと2歩」と悔やんだレジェンドだけに、今回はもう少しポジションを意識した騎乗を試みる可能性も高かった。

 しかし、まるでクイーンSを再現するかのように、またしても直線を11番手の後方から3着。レース後のコメントで「動くこともできませんでした」と振り返らざるを得なかった。

 その一方で本番を見据えた場合、それほど悲観する必要はないかもしれない。

 結果的に敗れたとはいえ、前走に続く上がり3ハロン最速をマーク。距離延長に不安のあるダイワメジャー産駒としては上々のトライアルだったという見方も可能だからだ。

「世代トップクラスのスピードを持つボンドガールですが、前進気勢の強さに武豊騎手も苦労しているようです。初の芝1800mだった前走は折り合いがついたため、後ろからの競馬を試してアタマ差の惜敗。今回はある程度の位置で進めたかったでしょうけど、今度はゲートの出が悪く行き脚がつかないままの後方待機。道中も淀みのない流れが続きましたから、動くに動けない状況でした。

もちろん、後ろからの競馬が続いたことに関しては、前走からさらに1ハロン延びる距離も関係したと思います。目先の勝敗に拘るだけなら、多少強引にでも上がっていく選択肢もあったと思いますが本番はまだ先。トライアルという意味では、大きな収穫があったと思います。これで秋華賞は自信を持って騎乗できるでしょう」(競馬記者)

 陣営もこれで距離の心配はなくなったと手応えを掴んだはずだが、やはり懸念されるのはダイワメジャー産駒の「負のジンクス」である。

 自身は現役時代に天皇賞・秋(G1)を優勝した父だが、その産駒は芝2000mにおける重賞で未勝利。実はここまで【0.5.8.61/74】と74連敗している。既に種牡馬を引退したダイワメジャーは今年の世代がラストクロップと残されたチャンスはそう多くない。

 ボンドガールと武豊騎手のコンビは、この分厚い壁を克服することができるだろうか。

GJ 編集部

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