戸崎圭太「我ながら酷い」「本当に情けなくて」どん底に落ちた…元クラシック候補の近親はステレンボッシュ、レガレイラ、アーバンシック
今週末の中央競馬は土日月の3日間開催。日曜京都は3歳牝馬のラスト一冠となる秋華賞(G1)、月曜東京ではアイルランドトロフィー府中牝馬S(G2)が行われる。2017年からアイルランドTと府中牝馬Sが合体した同レースだが、8年ぶりに分離。ただ来年からアイルランドTはエイシンヒカリが勝ったような、かつての混合戦ではなく牝馬限定戦として生まれ変わる。
分離前のラストイヤーに出走予定のマスクトディーヴァは注目だが、楽しみな馬が出走を予定しているレースはもうひとつある。
元クラシック候補が待望の復帰
それは、昨年6月の江の島S(3勝クラス)を制して以来、約1年4ヶ月ぶりの戦列復帰となるドゥラドーレス(牡5、美浦・宮田敬介厩舎)が登録している日曜東京の11RオクトーバーS(L)だ。
本馬はデビューから2連勝をして臨んだ毎日杯(G3)で圧倒的1番人気に支持された元クラシック候補。春の二冠には間に合わなかったものの、菊花賞(G1)に出走して3番人気で4着。前走の江の島S(3勝クラス)を快勝し、古馬になっての活躍を期待されていた逸材だ。
残念なことに屈腱炎を発症して長期休養を強いられたが待望の復帰。ドゥラメンテ産駒で近親にステレンボッシュ、レガレイラ、アーバンシックのいる超良血が久々にターフに戻ってくる。
また、ドゥラドーレスの出世が遅れた一因として触れなければならないのは、立て続けに騎手が騎乗ミスに映るような敗戦を喫していたことだ。
毎日杯では最内から外へ出すのが遅れ、直線でスムーズな進路取りが出来ず、脚を余すような格好で3着に敗戦。レース後に戸崎圭太騎手も「ばらけず、追い出しが遅くなりました」「人気に応えられず、申し訳ありませんでした」と謝罪したほど。この敗戦については本人も「我ながら酷いレースをしてしまった」「本当に情けなくて、どん底に落ちたっていう感じ」だったと述懐している。
ドゥラドーレスの不運はそれだけに留まらず、確勝を期した次走のホンコンジョッキークラブトロフィー(2勝クラス)でも同様だった。
このレースは逃げたモンテディオが1000m通過63秒6という超のつくスローペースで流れた一戦だったのだが、戸崎騎手から乗り替わった福永祐一騎手(現調教師)は、好スタートを決めたパートナーを強引に引っ張って後方待機策を選択。前残りを察したのか途中から慌てて追いかけたものの時すでに遅し。
ドゥラドーレスも上がり最速33秒0の末脚を駆使したが、2番手から抜け出した勝ち馬に33秒2で上がられては物理的に届くはずもなかった。そういう意味では、その後の2戦でコンビを組んだ横山武史騎手、前走で勝利に導いたC.ルメール騎手は前残りを許さない好騎乗だったといえるかもしれない。
そして、ドゥラドーレスのポテンシャルの高さを裏付けるのは、前走で負かしたメンバーの活躍。2着リフレーミングは今年の小倉記念(G3)を制し、3着チャックネイトは1月のアメリカジョッキークラブC(G2)を優勝。後の重賞勝ち馬を子供扱いしたドゥラドーレスの強さを証明した。復帰初戦のオクトーバーSを楽勝するようなら、秋のG1シリーズでも目が離せない1頭となるのではないか。
なお、今回は鞍上に丸山元気騎手を予定。再浮上を狙うコンビとしても負けられないレースとなりそうだ。