松岡正海騎手が落馬事故で「騎手生命」にも影響か……三浦皇成騎手が復帰に1年を要した骨盤骨折も、武豊騎手の「伝説」が示した可能性に期待

 22日の中京8Rでオンワードハンターに騎乗していた松岡正海騎手が、最後の直線で前の馬と接触して落馬した。またこのレースでは、ジョウショーチカラに騎乗していた荻野極騎手も落馬事故の影響で落馬している。

 ダート1800Mで行われた中京8Rの500万下。最後の直線に入った際、馬群のちょうど真ん中を進んでいた松岡騎手のオンワードハンターは、前をうかがっていたところに一瞬進路が開いた。

 しかし、空いたスペースに入り割り込もうとしたオンワードハンターの動きとほぼ同時に進路が塞がり、立て直しを余儀なくされた松岡騎手だったが、その直後にオンワードハンターが前の馬と接触。大きくバランスを崩して、松岡騎手は前方に放り出されるように落馬した。そこへ後方から来た荻野騎手のジョウショーチカラが落馬した松岡騎手に躓き、今度は荻野騎手が落馬。一瞬の出来事で回避のしようもない事故だったが、凄惨な場面となってしまった。

 幸い、左前腕打撲、右大腿打撲、腰部打撲と診断された荻野騎手は翌日から競馬に復帰したものの、左仙腸関節骨折、骨盤骨折と診断された松岡騎手は翌日もすべて乗り替わり。現時点(23日)で全治までの期間等は不明となっている。

「左仙腸関節と骨盤はどちらも身体の中心となる腰の部分だけに、全治までに時間が掛かることは避けられないでしょう。昨年8月に落馬して、先日ようやく復帰が発表された三浦皇成騎手も骨盤骨折を患っていました。

 三浦騎手の場合は、かなり複雑な骨折だったために1年近くを要しましたが、最初は『命が助かって良かった』と医者に言われたらしいです。松岡騎手も最悪の場合、騎手生命にかかわるケガになるかもしれませんが、いずれにせよ半年前後の長期休養になるとの話も……。できるだけ早い復帰が望まれますが、難しい状況です」(競馬記者)

 今は松岡騎手のケガが少しでも軽いものであること、1日でも早い復帰を祈るばかり。だが、「例外中の例外」として、過去に骨盤を骨折しながらもあっという間に復帰した騎手がいる。今から15年前、2002年の武豊騎手だ。

 武豊騎手は2002年の2月24日の中山で落馬。骨盤骨折の大ケガを負い、全治3から6カ月と診断されていた。これにより、当時のクラシック候補といわれていたタニノギムレット(ウオッカの父)に騎乗することは事実上不可能となり、代役には四位洋文騎手が抜擢された。

 しかし、そこから驚異的な回復力を見せた武豊騎手は、わずか8週間で復帰。タニノギムレットの皐月賞には間に合わなかったが、6月の日本ダービーどころか5月のNHKマイルCから騎乗し、見事タニノギムレットをダービー馬に導いている。

 当時の武豊騎手は33歳、奇しくも落馬した松岡騎手と同い年だ。無論、ケガの程度の違いもあるだろうし、さすがに競馬界に数々の伝説を残す”超人”と比較するのは気の毒かもしれないが、松岡騎手にも武豊騎手ばりの電撃復帰を見せてほしいところだ。

 穴馬券で数々のお世話になっている多くのファンが、1日でも早い復帰を待っている。

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