ドゥラメンテ近親の「元クラシック候補」が反撃の狼煙!ダートのレコードホルダーが芝重賞に再挑戦

デシエルト 撮影:Ruriko.I

 名種牡馬ドゥラメンテの近親が約2年半ぶりの芝重賞に挑戦だ。

 7日に行われる土曜中京のメイン・中日新聞杯(G3)にデシエルト(牡5、栗東・安田翔伍厩舎)が岩田康誠騎手とのコンビで出走を予定している。ドレフォン産駒の本馬は2021年12月の阪神でデビュー勝ち。続く1勝クラス、若葉S(L)と3連勝を決め、無敗のクラシック候補として注目を集めた。

ドゥラメンテ近親の「元クラシック候補」が反撃の狼煙!

 しかし、穴党の熱視線を集めた皐月賞(G1)を7番人気でジオグリフの16着に大敗。日本ダービー(G1)も15番人気でドウデュースの15着に敗れてしまった。

 その後はダートで連勝して芝の若葉Sも制した二刀流だったこともあり、秋の復帰戦に選ばれたグリーンチャンネルC(L)を1分33秒5(重)のレコードで快勝。同レースの2着ギルデッドミラーは、次走の武蔵野S(G3)でレモンポップを破り、3着タガノビューティーも今年11月のJBCスプリント(G1)を勝った実力の持ち主である。これだけでもデシエルトに寄せられた期待の大きさが伝わるだろう。

 だが、断然人気で挑んだ霜月S(OP)を4着に敗れてから別馬のように低迷。素質の片鱗は見せつつも勝ち負けに程遠い成績が続き、5歳秋を迎えたには一部のファンから「早熟」「終わった」という声も出始めた。

 そんな元クラシック候補が再び存在感を発揮したのは、前走のアンドロメダS(L・芝2000m)である。

 気がつけば最後に勝利したグリーンチャンネルCから2年の月日が経ち、久々の芝で8番人気。既にピークを過ぎてしまったかのような戦績の続く馬だけに、妥当な評価だったのかもしれない。

 かといって人気イコール着順とならないのも競馬の面白いところ。ファンの低評価をあざ笑うかのような激走で勝利を飾っただけでなく、重賞の常連を相手に3馬身半のセーフティリードを保ったまま逃げ切って見せたのだ。

「マイペースの単騎逃げに持ち込めたのも大きかったですが、後半1000mも58秒8のロングスパートを決めて素質馬ロードデルレイに完勝でした。3着にも後方ポツンのトップナイフが直線一気で突っ込んできたように、逃げ先行馬に展開が向いた訳でもないです。

岩田康騎手から戸崎圭太騎手、そしてまた岩田康騎手に手が戻った馬ですが、鞍上の功績がかなり大きいように感じます。中日新聞杯で連勝を決めるようなら上昇気流に乗って行けそうな雰囲気がありますね」(競馬記者)

 同世代のダービー馬ドウデュースは、暮れの有馬記念(G1)をラストランに予定。世界最強馬イクイノックスもターフを去って種牡馬となったが、デシエルトの本領発揮はまだまだこれから。久々に味わった勝利の美酒をきっかけに快進撃が続くことを期待したい。

GJ 編集部

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