何故『DMMバヌーシー』JRA参入は支持されるのか? 事業統括者・野本巧氏が語る「感動の共有」から見える馬主の「本懐」(特別インタビュー企画)
――走らなくともよいと。
それは違います。もちろん走ってほしいですし、そのため最善を尽くすことは大前提。ただ、馬主になることの楽しみは競走馬に出資して賞金などの見返りを求める「投資」の要素だけではないと思うんです。もちろん、それも1つの楽しみ方だと思いますが、常識的に「投資」という観点から見れば馬主業は決して優れているとはいえません。
それは実際に馬主をされている方々も当然、理解しておられると思います。それでも馬主を続けられているということは、金銭の損得を超えた「ロマン」や「夢」を求められているからだと思うのです。
そういった馬主の方々の姿勢や生き方に、とても強く共感して『DMMバヌーシー』のテーマも決まりました。
――『DMMバヌーシー』のテーマは、投資やギャンブルではなく「感動体験の共有」であると。
『DMMバヌーシー』のテーマを「感動の共有」と定めた理由は明白です。仮に『DMMバヌーシー』が投資の損得だけを目的とした競走用馬ファンドであれば、別の方法を選んでいたと思います。
しかし、馬主としての感動といった「心の動き」に目を向ければいかがでしょうか。金銭は確かに1万人で割れば1万分の1にしかなりませんが、感情はそうではないですよね。
出資馬がただレースを勝つだけではありません。牧場からトレセン(トレーニングセンター)へ入厩するだけ、レースに出走するだけといったことでも、出資者1人1人が同じように100%の喜びや興奮を持っていて……それだけではなく、その気持ちを同じ仲間と共有することによって、その感情のエネルギーが何倍にもなるのではないか。それが仮に1万人だと、どうなるのか……。