JRAが降級制度「廃止」決定……何故馬主の「猛反対」は実らなかったのか? 肥大する「格差問題」を前にオーナーたちが一枚岩になれない事情
日本中央競馬会(JRA)は28日、2019年の夏から「降級制度」を廃止すると発表した。
今年1月に「降級制度」を廃止が協議されていることが大手メディアから報道されていたが、いよいよそれが「正式に決定した」ということだ。現在は4歳夏を迎えた時点で賞金が半減してクラスが下がる、いわゆる「降級馬」が夏の条件戦の風物詩となっていたが、間もなく見られなくなる。
報道当初から今年の高松宮記念(G1)に勝ったセイウンコウセイや、今週末のアイビスサマーダッシュ(G3)に出走するネロなどを所有する西山茂行氏が、自身のブログを通じて猛反対したことを始め、数多くの馬主が”徹底抗戦”の構えにあったようだ。
したがって1月当初の報道では「来夏」といわれていたが、今回「2019年夏」に改められたのは、その一定の成果があったからか。とはいえ、降級制度廃止の流れを止めるには至らなかったようだ。
「まるで情報漏れでもあったように、正式決定よりも先に報道が先行してしまうのが、JRAの昔からのやり方です。先にマスコミにリークさせて世間に浸透させた方が、まだ決まってなくとも協議を運びやすい。1月当時の西山オーナーもむしろ、このような報道のされ方に憤りを覚えていたようです。
考えてみればすぐにわかることですが、仮に情報漏れがあったとしても、JRAや関連性の深い電通が怖い古参のメディアはどこもリークしませんよ。必ずおうかがいを立てて報道するはず。つまり今回も1月の先行報道の時点で、JRAからGOサインが出ている可能性が高かったということです。こうなると覆ることはまずありません」(競馬記者)