札幌2歳S(G3)の超ハイレベル「3強」対決に注目 ジャングルポケットとテイエムオーシャンが激突し、翌年のJRA賞を独占した伝説の再現なるか
2000年の札幌2歳Sで3着だったテイエムオーシャンは、後に2歳女王に輝くと桜花賞(G1)まで3連勝。当時8戦6勝3着2回という圧倒的な成績で桜花賞と秋華賞(G1)の2冠牝馬に輝いているが、敗れた2戦が距離の明らかに長いオークス(G1)と、この札幌2歳Sだけだった。
知名度としては2着馬のタガノテイオーが3頭で最も低い。だがこのレースの後、東京スポーツ杯3歳S(G3、現2歳S)を完勝し、朝日杯3歳S(G1、現朝日杯フューチュリティS)でも2着に健闘。しかし、そのレースのラスト200m地点で故障を発生しており、そのまま引退。鞍上の藤田伸二騎手は「まともならぶっちぎっていた」とレース後、悲痛な表情で語ったという。
そして、そんな2頭に1馬身半差をつけて勝ったジャングルポケットは、翌年の日本ダービー(G1)とジャパンC(G1)を制して年度代表馬に輝いている歴史的名馬だ。種牡馬としてもオークス馬のトールポピーや、菊花賞馬のオウケンブルースリ、天皇賞を勝ったジャガーメイル、トーセンジョーダンなど数々の名馬を送り出している。
他にも後の朝日杯フューチュリティSの1、2着馬となるコディーノ、ロゴタイプに加え、翌年のNHKマイルC(G1)を勝つマイネルホウオウが激突した2012年など、後から振り返ると「凄いメンバーだった」といわれるレースが何年かに一度起こるのが、札幌2歳Sの特徴でもある。
果たして、今年の札幌2歳Sは後に語り継がれるような伝説のレースとなるのか。すでに高いパフォーマンスを示し、翌年のクラシックを強く意識した「3強」が激突する。